あなたの周りには、いませんか?
いわゆる「聞き上手」な人。
どんな口の重い人からもスルスルと話を引き出し、相手がいい気分になるようなリアクションをし、気の利いたコメントを返す。
お笑い芸人のツッコミのようにテンポよく会話を展開していく人もいれば、自分が話さなくても周りがいろいろ話したくなるような空気や間を作るのが上手な人もいます。
昔の僕は無口な上に人見知りだったので、こういった人たちが羨ましくてたまりませんでした。
なぜあんなにも会話が弾むのか、自分と何が違うのか、もしかして何か特殊な才能やセンスが必要なのか、不思議で不思議でたまりませんでした。
でも実は聞き上手になるためには、才能やセンスなんて全く必要ないんです。
そんなものはいらないんです。
「あること」に気づきさえすれば、誰でも聞き上手になることはできるんです。
“聞き上手”と、そうでない人の大きな違い
まずは「聞き上手な人」と、反対に「聞き上手でない人」って一体何が違うのでしょうか?
その一番の大きな違い、それはコミュニケーションにとって基本中の基本といえる部分にあります。
実は聞き上手でない人に共通して言えることがあります。
その共通点とは、ズバリ「人の話を聞いてない」です。
聞き上手でない人は、相手の話を聞いてないのです。
いや、「人の話をちゃんと聞くことができてない」と言った方が正確でしょうか。
聞き上手でない人というのは、一見相手の話をちゃんと聞いているように見えても、頭の中では「何てコメントを返そうか」「どんなリアクションをしようか」といったことばかり考えてしまう傾向がとても強いのです。
相手に対する「返し」ばかりに気を取られ、大事な話の内容をしっかり聞けてないことがとても多いのです。
中には相手の意見を聞きながら、「いや、俺だったらこう考えるな」「私だったらこうするのに」「違う違う、その考え方は間違ってるよ」みたいに、相手の話はそっちのけで自分の思いばかりが出てしまってる人もいます。
あなたはどうですか?
思い当たることはありますか?
もちろん人によって個人差もありますし、これだけで”良い・悪い”と決められるものでもありません。
しかし、人というのは誰しも心の中に「他人から良く思われたい」という願望や、「人と仲良くしたい」といった思いを持っているものです。
そのため人から喜ばれるリアクションをしないといけない、気の利いたコメントをしないといけないと自分で自分を勝手に追いこんでいき、その結果自ら自分を焦らせてしまってるんです。
こんな状態では、落ち着いて相手の話なんて聞くことはできませんよね。
聞き上手でない人は、コミュニケーションにとって基本中の基本といえる「人の話をちゃんと聞くこと」ができてないのです。
相手の気持ちを想像してあげる
聞き上手になるために必要なこと、もう分かりますよね。
聞き上手になるためには、まず「相手の話に集中すること」です。
相手が何を言いたいのか、何を伝えたいのか、それを理解することのみに集中するのです。
コメントやリアクションを考える必要はありません。
とにかく相手の話に集中するのです。
相手が何を伝えようとしているのか、そして相手が今どんな気持ちで話し、どんな思いを抱えているのか想像してあげるんです。
つまり、話の理解だけに留まらず、相手の気持ちや感情の理解にまで踏み込んであげるのです。
人は誰しも「自分を理解してもらいたい」という思いを持っています。
この「自分を理解してもらいたい」という思い、具体的に言うと、
自分がどれだけ努力してるか分かってもらいたい、自分の頑張りを分かってもらいたい、嬉しさ・楽しさ・辛さ・大変さ・苦しさ・悲しさを分かってもらいたい、自分の辛い境遇を分かってもらいたい…
つまり自分の気持ちを分かってもらいたいのです。
だから聞き上手になるためには、単に話を聞いて理解するだけじゃなく、相手の感情も理解してあげなければならないのです。
感情の理解というと難しく聞こえてしまいますが、要は相手の気持ちを想像してあげるだけでいいのです。
そして話をちゃんと聞いているのか、それとも適当にしか聞いてないのか。
そういったことは、あなたの表情やしぐさや目線などを通じて必ず相手に伝わるものです。
分かってないと思っているのはあなただけ。
ちゃんと相手には伝わるものなんです。
そして人というのは、話を真剣に聞こうとしない人間には適当な話しかしないものです。
当たり障りのない話しかしない、本音で話そうとはしないのです。
自分のことを本気で理解しようとしている、本気で話を聞こうとしている相手にしか本気で話をしようと思わないのです。
聞き上手に”良いコメント”や”面白いリアクション”はいらない
でも相手の話を聞いてるだけじゃ適切なコメントやリアクションを取れない…そう思うかもしれません。
でも相手の話をよく聞き、相手の気持ちや感情も含めて相手のことをしっかり理解すればするほど、次第に相手の状況や気持ちに合ったコメントやリアクションが自然にできるようになってくるのです。
相手のことを知れば知るほど、その相手に合ったコメントやリアクションが出てくるようになるんです。
逆に相手のことを理解してなければ、相手が望むようなリアクション・相手が必要としているコメントなんて出てくるわけないんです。
まずは相手のことを知ることに集中するのです。
でも中には相手のことを理解することができても、なかなか良いコメントやリアクションをとれない人もいるかもしれません。
でも心配ありません。
良いコメントやリアクションなんてできなくてもいいんです。
先ほども言いましたが、ちゃんと話を聞こうとしてるのか、適当にしか話を聞く気が無いのか、相手にはちゃんと伝わります。
本気で話を聞こうとする相手には、本気で話をしてしまうものです。
本音を話したくなってしまうものなんです。
他の人には言えないことなんかも、つい言いたくなってしまうものなんです。
だからあなたは良いコメントや面白いリアクションなんてしなくてもいいんです。
ただ相手の気持ちを受け止め、共感してあげるだけでいいんです。
それだけであなたは立派な「聞き上手」になれてしまってるんです。
「聞き上手」というと、みんな「どんなコメントをしようか」「どんなリアクションをしようか」といったことばかりに気を取られ、一番大事な「相手の話をちゃんと聞く」ということをすっかり忘れてしまっています。
聞き上手になるためには、無理に良いコメントや面白いリアクションをしようとする必要はないのです。
とにかく相手の話をしっかり聞く・相手の気持ち(感情)を分かってあげる、つまり相手のことを理解してあげることに集中するのです。
それだけであなたは立派な聞き上手になれてしまうのです。
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