「あの人はどうしても許せない」
「あいつをどうしても懲(こ)らしめてやりたい」
あなたには、どうしても許せないような相手はいますか?
誰しも気の合わない相手の一人や二人はいると思います。
僕にもそういう相手、います。
みんな生まれも違うし、これまで歩んできた人生も違うわけです。
価値観や考え方・感覚なんかもそれぞれ違います。
違って当然です。
だから相手の考え方をどうしても受け止められない、相手の感覚が受け付けない、相手の価値観をどうしても認められない、そんなこともあると思います。
でもそういう相手とは、深く付き合わなければいいだけ。
自分の関わる全ての人間と、価値観や人生観を共有する必要などありません。
それなりの付き合い方をすればいいだけです。
でも中には、あなたに対しいつも否定的な意見をぶつけてくる人、あなたの考えや行動に対し何かと反対してくる人というのもいると思います。
または、わざとあなたの邪魔をしてるとしか思えないような人や、あからさまに攻撃してくる人。
そんな、あなたに対し悪意をぶつけて来てるとしか思えないような相手も、中にはいるんじゃないでしょうか。
そんな相手が自分の日常生活の中にいると、正直滅入りますよね。
普段あまり関わることのない相手ならいいんですが、その相手が例えばあなたの親や配偶者、子供、会社の上司や同僚・部下、学校の友人やバイト先の上司や仲間…そんな身近にいる相手や縁を切ることの出来ない相手であるなら、毎日がシャレにならないほど辛い日々に変わります。
そして、そんな「自分の人生を台無しにしてしまう相手」が憎くて憎くてたまらない。
場合によっては自分の人生から排除してしまいたい、それほどの怒りを感じてしまうこともあります。
今回は、そんな相手とどう向き合えばいいのか、その相手を前にした時どうすれば冷静に対処できるのか、ということについて話していこうと思います。
僕自身、他人に対してイライラしてしまってる時に使っている方法です。
あなたにとって役に立ってくれれば、嬉しく思います。
どうすれば怒りの感情から解放され、冷静さを取り戻せるのか?
この記事を読んでくれているということは、あなたには許せない相手や腹の立つ相手、そういった憎い相手・我慢のならない相手が具体的にいるんだと思います。
今この記事を読みながらでもいいので、その相手をちょっと思い浮かべてみてもらっていいですか?
その相手の顔、表情、…
相手があなたに対してやった行動や、あなたにぶつけてきた言葉。
あなたに対する態度。
あなたの受けた仕打ち。
思い出してみてください。
……
腹が立ってきましたか?
悲しくなってきましたか?
それともうんざりしてため息が出てきましたか?
おそらく怒りや苦しみや悲しみが甦ってきたのではないかと思います。
あなたの辛い気持ち、分かります。
分かるといっても、もちろんあなたの置かれている状況や今感じている気持ちが手に取るように分かる…なんて言ってるわけではないですよ。
このブログを通してあなたの気持ちが分かる、なんて超能力者のようなことを言うつもりはありません。
ただ僕は幼少期から、一部の大人から心無い扱いを受けてきました。
僕は幼少期から、ずっと人間恐怖症でした。
今ではその全てが自分を高めるための大切な経験となっていますが、少し前までは許せない人間が山ほどいました。
まさにその人間そのものを削除してやりたい、そう思うほどの憎しみが心の中に渦巻いていました。
だから僕とあなたの置かれている状況は全く違うのかもしれないけど、相手を許せない気持ちというのは分かるつもりです。
ちょっと話がそれてしまいましたが、今あなたに思い出してもらった相手、そしてあなたが受けた仕打ち、ちょっとやそっとじゃ許せないと思います。
いや、もしかしたらあなたはその相手を許すつもりなどさらさら無いかもしれません。
では例えばもし、その相手が今日死んでしまうとしたら、どうです?
それでも相手に対するあなたの気持ちは変わりませんか?
相手が今日死ぬなんて、ちょっと極端な話ですよね。
だから”例えば”の話です。
あなたの許せない相手が、例えば治療不可能な病気にかかってて今日までしか生きられない。
例えばその相手がこの後交通事故にあって、帰らぬ人となる。
その相手の命が今日までしかない。
明日には相手の体はもう冷たくなってて、二度と会うことも話すことも出来ない。
その相手は明日にはもう死んでるかもしれない。
本気でリアルに想像してみてください。
……
それでも相手に対するあなたの気持ち、全く変わりませんか?
もちろん単なる想像なので、相手が本当に死ぬわけではありません。
でも、単なる想像とは限りませんよ?
僕は長年、葬儀の仕事をしています。
たくさんの人の最期を見てきました。
人の亡くなりかたも様々で、天寿を全うする人もいれば、僕よりずっと若い人の最期を見送らなければならない時もあります。
中には僕が担当させていただいた方で、お父さんと娘さんが大ゲンカをした後に娘さんが交通事故で帰らぬ人となったという、とても悲しい葬儀もあります。
そのお父さんはずっと、激しい後悔に苛(さいな)まれ続けています。
人はいつ死ぬか、分からないんです。
僕もあなたも周りのみんなだって、いつ最期を迎えるかなんて予測出来ないんです。
あなたの憎くて憎くてたまらない相手、決して許すことの出来ない相手も、いつ死ぬか分からないんです。
さっきは例え話で「今日一日の命だとしたら…」なんて言いましたが、本当にそうなる可能性もあるんです。
だからもう一度言います。
あなたの許せない相手が、今日までの命かもしれない…
本気でリアルに想像してみてください。
それでも相手に対するあなたの気持ち、全く変わりませんか?
もちろん「相手のことを全て許そう」なんてことにはならないと思います。
それで相手に対するわだかまりが全て無くなる、なんて話には当然ならないと思います。
でも相手の命がもし本当に今日までだとしたら、相手に対する怒りがこれまでより小さなものに感じてきませんか?
相手に対して腹を立てるよりも、もっと大切なことがある。
相手の時間が限られているなら、怒りの気持ちではなく感謝の気持ちを伝えたい、そう思いませんか?
もちろんあなたに対して「感謝の気持ちを伝えたいと思って下さい」と言ってるわけじゃありませんよ。
ただ、命の時間はみんな限られています。
命の時間は有限です。
そして、いつ終わるか分からない。
そう思ったら、怒ることに時間を費やすのはもったいないと思いませんか?
相手の命がいつ終わるか分からない。
そう思うと、怒りの感情が収まってきます。
頭の中が次第に冷静さを取り戻し始めます。
それと同時に視野も広がり、相手のことも見え始めてきます。
相手の置かれている状況、相手がなぜ自分に対してそのような言動をしたのか、相手の気持ちやいろいろなことが見え始めてきます。
相手のやったことを水に流そうと言ってるわけではありません。
ただ相手の命が限られていると考えることによって、怒るよりももっと大切なことが見えてくるはずです。
自分のすべきことは腹を立てることではなく、もっと別のことであることに気づくはずです。
「相手の命は今日限り」
そう思うことによって、怒りの感情から解放され、本当に大切なものが見えてくるのです。
メッセージ
私はどうしても上司と反りが合わず、
結局30年勤務した会社を
その人間から離れるためだけに辞めました。
その人間が「今日までの命」だと考えても
死んで地獄へ行き、永遠に苦しむ姿を見ないことには収まらない、、、
これが本音です。
・・・私にはまだ修行がたりないようです
ECSさんへ
コメントありがとうございます。
30年勤務した会社を、その人間から離れるためだけに辞める…
相当なことがあったんですね。
本当に苦しかったんですね。
修行が足りない?
そんなこと、ありません。
人は誰しも自分の心が傷つきボロボロな時、他人に寛大になることなど出来ません。
僕だってそうです。
自分が充実していたり、幸せだと感じられたり、生き甲斐を感じることが出来ているからこそ、他人にも手を差し伸べることが出来るんです。
ましてやその原因となった相手を思いやることなど出来なくても普通です。
今のあなたに必要なのは、他人を気遣うことではなく、自分自身を気遣ってあげることではないですか?
ここまで頑張ってきた自分をねぎらい、そして自分を褒めてあげることではないですか?
その上司を無理に許す必要は全く無いと思います。
でもECSさんはその上司から離れたにもかかわらず、今もその上司にとらわれ、影響を受け続けてしまってるように見えます。
もうこれ以上その上司のためにあなたの人生を壊してしまう必要はありません。
それこそその上司の思うツボなのではないですか?
その上司に対する最大の仕返しは、あなた自身が幸せになり、充実した人生を送ることなんじゃないかと思います。
あなたの辛い気持ちは分かります。
焦らず少しずつ心の傷を癒していき、あなた自身が幸せになれる道を探してほしいと思います。
僕がECSさんのお力になれるか分かりませんが、何かあればまた遠慮なくコメント下さい。
お待ちしてます。
仁より