怒りっぽい人と一緒にいると、なんだか自分も怒りっぽくなったりしませんか?
逆に穏やかな人が一緒にいると、その場の空気自体が穏やかになったり。
なぜこのような現象が起こるのでしょう。
まるで他人の心や感情と、自分の感情が同調するかのような感覚…
実は人の感情というのは、うつるのです。
僕らは知らず知らずのうちに周りからの影響を受けている
僕らはみんな個性があり、性格や癖・習慣やものの考え方など、それぞれ違ってますよね。
これまでの自分自身の人生の中で作られてきた、自分だけのオリジナルの個性。
自分の性格や個性というのは、自分の意思によって自分で作り上げてきたように思いがちです。
でも実は、僕たちは常に周囲の人間や環境から影響を受けていて、それによって性格や考え方など日々変化し続けているのです。
例えばあなたが尊敬する人、好きな人、息の合う人、相性のいい人、一緒にいて居心地のいい人っていますよね。
そういう人たちといると、いつの間にかその人たちのちょっとしたクセとか言葉遣いとかがだんだん似てきたり、または完全にうつってしまうことってありますよね。
実は自分にとって影響力の強い相手ほど、うつりやすくなるんです。
そしてこれはクセや言葉遣いだけではありません。
感情も同じようにうつるのです。
例えばあなたの好きな人が機嫌良いと、こっちも嬉しくなりますよね。
または自分の尊敬する人が仕事などで失敗して落ち込んでいると、こっちまでテンションが下がってしまったり、逆に失敗をバネにこれまで以上に頑張るゾ!!って姿を見せられたら、こっちまで勇気が湧いてきますよね。
自分にとって影響力が強ければ強いほど、その相手の感情もうつりやすくなるのです。
そしてこれは残念なことに、悪い意味でも自分にとって影響力の強い相手の感情も、同じようにうつりやすくなってしまうんです。
例えばあなたが現在会社員で、同じ社内に嫌いな人がいるとします。
この人は怒りっぽい性格で、ちょっとしたことでもすぐ感情むき出しで怒るようなタイプの人です。
あなたはいつもこの人と一緒に仕事をしています。
こんな人と1日の大半を一緒に過ごさないといけないと思うと、気が滅入りますね。
で、この怒りっぽい人ですが、もしこの人があなたの部下であり、あなたが気に入らなければ簡単に相手を左遷したりクビにしたりできるとしたらどうです??
だとしたら、この相手が怒ろうがわめき散らそうが、別にどーってことないですよね。
この相手がどんなに頑張ろうと、あなたの立場を危うくすることなどできないわけですから、あなたにとってこの相手は影響力のカケラも持っていない、つまりこの相手はあなたの感情にもほとんど影響を与えることはできないわけです。
では今度は逆に、この相手があなたの上司であり、この相手の機嫌しだいであなたは簡単に左遷やクビを飛ばされたりするとしたらどうです??
正直怖いですよね。
「怒ってる原因は自分じゃないだろうか??」「怒りのとばっちりを受けるんじゃないか…」
こんな感じでちょっとしたことでも気持ちが動揺してしまう、つまり感情が揺さぶられてしまいますよね。
あなたにとって強い影響力を持つ相手、この相手の機嫌=この相手の感情はあなたの感情に大きく影響を与えるということです。
もしこの相手に、あなたが毎日顔を合わせるたびに怒られてるとしたらどうです??
イライラしますよね、カリカリしてしまいますよね。
そうなんです、この相手のイライラやカリカリが、あなたにもそのままうつってしまうんです。
その結果あなたもこの相手と同じように、部下や同僚に向けて怒りをぶつけてしまったり、またはうつ状態になってしまったりと、自分で自分の感情をコントロールできなくなってしまうのです。
このように良い意味でも悪い意味でも、感情というものは人から人へ伝染してしまうのです。
ドラマや映画を観ていて感情移入してしまうのもそうですし、目の前で激しいケンカが始まれば、自分はケンカしてるわけじゃないのに動揺したり同じように興奮状態になったりしてしまうのもそうです。
とりあえず距離を置いてしまいましょう
感情は人から人へと伝染します。
でも良い意味でうつるのは歓迎ですが、悪い意味でうつってしまうのは、できれば避けたいですよね。
悪い感情の伝染を避けるためには、自分自身との信頼関係をしっかり築くこと、つまり何があっても自分を信じてあげて自己肯定感を高めていくことが大切になってきます。
でも状況によっては難しい時もあります。
なので気持ちが動揺してしまいそうな時は、まずはその原因となる相手からいったん距離を置いてしまいましょう。
「悪い感情がうつりそうだな」と感じれば、できる範囲でいいですのでその場やその相手から距離を置いて、自分の心を落ち着けられる空間に身を置くんです。
それが「好きな音楽を聴くこと」とか、「コーヒーを飲む」とか、「車に乗ってボーっとする」とか、「トイレの便座に座る」とか、または「ご機嫌になれるアイテムを身につける」とか、何でもいいんです。
自分の心が落ち着いて、いつもの状態を取り戻せる環境に身を置くのです。
感情が乱れた状態では、冷静な判断や自分にとっての最適な選択をすることはできません。
自分の未来を創り出すのは、今自分がとっている「行動」であり、その行動を決める大きな要因となるのが「感情」です。
自分にとってより良い未来を掴み取るため、自分の感情の動きにもっと敏感になってあげましょう。
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