どうも、仁です。
今回は「人間関係が上手くいかない人に共通する特徴」について話そうと思います。
僕らの周りには、不思議と「他人とぶつかることが多い人」がいますよね。また反対に「誰とでも良好な関係を築いてしまう人」もいます。同じ人間なのに、なぜ対人関係にこうも差が出るのか?この両者は一体何が違うのか?
その答えを、出来るだけシンプルに答えていきます。
他人とぶつかる人に共通する特徴
いきなり答えをいますが、他人とぶつかることが多い人に圧倒的に多い特徴、それは「あらゆることにおいて白黒つけたがる」ということ。どんな些細な事であっても、どちらが正しいか白黒をつけようとする。そして自分の正しさを主張し、相手に負けを認めさせるまで議論をやめようとしない。
もちろん僕は議論をすること自体を否定しているわけではありませんよ。自分の考えを言葉にして主張することはすごく大切なことだし、議論をするからこそ、より良い意見やより良い道が開けたりするわけです。自分の中に無い新たな意見や考えに触れたり、互いに意見を交換し合うからこそ、より良いものが生まれるわけですよね。
でも中には、白黒つけなくてもいい事柄もたくさんありますよね。いわゆる白黒つけたところで互いの人生や生活に何ら影響を及ぼさないような事です。そういった事柄って、あえて白黒つける必要があるのでしょうか?あえて白黒つける意味はあるのでしょうか?特に無いですよね。
でも他人とぶつかることの多い人は、どんな些細な事であっても他人が自分と少しでも違ったなら白黒つけようとするんですね。他人の価値観、考え方、言葉、行動、感性や感覚、趣味、ファッション、癖、生き方…互いの人生や生活にとって何ら影響を及ぼさないことであっても「それはおかしいよ」と言って相手を否定し、正させようとする。その結果しなくてもいいケンカが始まり、人間関係は上手くいかなくなっていく。
話は変わりますが、僕は約20年ほど葬儀の仕事をしています。それで、お客さん(ご遺族やご近所の皆さん)と話をしていると、間違っておられることがよくあるんですね。葬儀や宗教・地域の風習のことなど、間違って覚えておられるお客さんが結構いらっしゃいます。
それで葬儀担当者の中には、その間違いを一つひとつ指摘して正してあげようとする人間がいるんですね。仮に間違っていたとしても葬儀を進めるに当たって特に問題が無いようなことであっても、「いや、それは間違っていますよ。正しいのはこうです。」と言って正しい知識を一生懸命教えてあげようとする担当者がいます。
残念ながら、そういった担当者はお客さんからの評価が低かったりします。言っていることは正しいんですが、お客さんの満足度はちっとも上がらない。
正直言って葬儀全般に関する決まり事って、実はそのほとんどがハッキリした根拠のないことばかりです。何よりご遺族や葬儀の参列者にとって重要なのは「亡くなられた方を、心を込めてお見送りしてあげる事」であり、「無事に葬儀を終える事」。だから葬儀の中で間違いやデタラメなことをしてしまったとしても、心を込めて無事に故人を送り出してあげる事が出来たなら、それでいいわけです。
だから僕は例えお客さんの言っていることが間違っていたとしても、それによってお客さんが困ることになったり恥をかかれることが無いのであれば、あえて指摘したり訂正しようとしたりしません。そしてお客さんが望まれる事であるなら、それが本来の葬儀の形と違っていても、それをやります。
僕ら葬儀社にとっての正解は、正しい形の葬儀をすることではなく、お客さんが満足される形の葬儀をすること。お客さんが満足される内容で無事葬儀を終えることが出来たなら、それ以外のことは全く重要じゃないし、間違っていようが関係ないのです。
でもそれが分かっていない葬儀担当者は、全てにおいて白黒をつけ、自分が正しいと思う形をお客さんに押し付けてしまう。そしてそんな葬儀の後に残るのは、「自分のやり方にケチを付けられ、思うような葬儀をやらせてもらえなかった」というお客さんの不満と互いの感情の摩擦だけです。
ずいぶん話が逸れてしまいましたが(汗)、日常における対人関係での価値観をはじめとした様々な違いやズレというのは、そのほとんどが白黒ハッキリつけたところで何ら意味のないことだらけです。「仮にその議論に勝ったところで、一体何が得られるのか?」というのを冷静になって考えれば、自ずと答えは出てくるはずです。目の前の相手に勝つことによって生まれるのは、互いの感情の摩擦と、相手を打ち負かしてやったことによる優越感や自己満足だけ。人間関係がギクシャクするだけでメリットなんてほぼ無いのです。
勝利と引き換えに信頼を失った男
僕の知り合いに、口ゲンカでは負けたことが無いと豪語するYさんという人がいます。このYさんは、かつてはとても頑固な人で、自分とは違う意見は一切受け付けないような一面を持っていました。そのYさんが若かりし頃に、当時の会社のベテラン社員と口ゲンカになったことがありました。
会社での仕事の進め方で意見が食い違い議論になったみたいですが、口ゲンカに自信のあるYさんは相手のベテラン社員の意見を全て否定し、ケンカ腰でガンガン責め立てていきました。しばらく議論が続いた後、ふとベテラン社員が「うんうん、分かったよ、Y君。君の言うことが正しいから、君の思うように進めたらいいよ。」と言っていきなり引き下がったのです。
議論に見事勝利し、満足げな顔をしたYさん。しかし一連の様子をそばで見ていた会社の上司が、Yさんに向かって一言言いました。「Y君、君の負けだね。」と。
「は?何を言ってるんですか?今の議論を見てたでしょ!完全に僕の勝ちじゃないですか!向こうも自分の負けを認めたからこそ、引き下がったんでしょ!」そう言ってYさんは上司に食ってかかりました。
するとその上司は「本当に勝ったと思うか?君がまるで聞く耳を持っていないから、彼(ベテラン社員)が君と議論をするのを諦めただけに見えたが。君のやっていたのは議論ではなく、ただの口ゲンカだ。君は上っ面の口ゲンカに勝つのと引き換えに、仲間からの信頼を完全に失ってしまったな。もう取り返せないぞ。」そうYさんに告げました。
Yさんが言葉を失っていると、その上司は続けて「Y君、一旦相手の言葉を飲み込め。そしてその相手の言葉を自分の中で一晩寝かせてから、それでも納得がいかないことがあるなら、次の日に改めてその相手と話をしなさい。今より冷静な状態で、中身の濃い議論がきっと出来るから。」そう言ってYさんを諭しました。
それ以降Yさんの人付き合いの仕方はずいぶん変わり、かつては頑固者で攻撃的だった彼は、今では誰とでも仲良くお喋りする愉快な人間になっています。
と言うことで僕が何を言いたいのかはもうお分かりかもしれませんが、僕は「白黒つけることが必ずしも悪い」と言っているのではありません。例えば仕事で白黒ハッキリ決めなければならない時もあるし、会社の方針が定まらずにフラフラしていたら社員も迷ってしまいます。議論によって答えを1つに決めなければならない時というのは必ずあるわけです。
ですが勘違いしてはいけないのは、議論の目的はあくまで「複数の意見をぶつけ合うことによって、より良い答えを導き出すこと」です。自分の意見を押し通すことが目的ではないし、自分の正しさを証明するために議論をするわけでもないのです。でも実際には、そうなってしまっている人がたくさんいます。議論になると「負けてたまるか!」となって、とにかく議論に勝つことだけしか考えられなくなる人が、本当にたくさんいます。
そうなってしまう原因の一つに「自信の無さ」や「自分のことを否定されたくない」といった焦りの気持ちなどもあると思います。でもそこで、ちょっと立ち止まり、僕らは冷静にならないといけません。
人と意見や考えが衝突してしまった時、どんなことでも受け入れてあげればいい、というわけではありません。例えば自分の生き方だったり、自分の信念、夢や目標、人生を賭けて夢中になれる事…そういった自分の人生にとって重要な事柄に関しては誰に対しても譲る必要は無いと思いますし、僕自身も他人から何を言われようと自分の信念や生き方は絶対に曲げません。どんなに意見がぶつかろうと、どんなに批判されようと、これだけは譲りません。
でもそれ以外のことは、僕自身に関して言えばまるでこだわりが無かったりします。と言うか、こだわる必要がどこにも無いし、正直どうでもいいと思っていたりします。だから自分の信念や生き方以外のことで周りから否定されても「あぁ、なるほど。そういう考えもあるか。」「なるほど、いいこと言うなぁ。」みたいな感じで簡単に受け入れてしまったりします。
自分とは違う意見や考えを相手が主張したところで、それが自分の人生に何ら影響を及ぼさないものであるのなら、聞き入れてあげればいいし認めてあげればいい。そしてそれが出来るようになると生きるのがすごく楽になるし、他人と衝突することも本当に少なくなります。
ただ、もしあなたがこれまでの人生で自分とは違う意見や反対意見を受け入れることをしてこなかったのなら、それをいきなり受け入ようとするには抵抗があると思います。簡単ではないかもしれません。
もしそうであるのなら、では今後もしあなたが自分とは違う意見を言われてしまった時、声に出してこう言ってください。「なるほど!そういう考えもあるのか!」と。
言い方や言う言葉はお任せしますが、相手が正しいか間違ってるかは関係なく、まずは「うん、なるほど!その考えもあるね!」と声に出して、相手の発言を一つの意見として肯定してみてください。難しく考える必要はありません。頑張って感情をこめて言う必要もありません。別に相手の意見に従う必要もありません。ただ、声に出して「なるほど!」とハッキリ言えばいいのです。
すると、それを言われた相手は何かしらの反応を示すと思います。自分の意見を聞いてもらえて嬉しそうな顔をしたり、または自分の考えを認めてもらえて安心した表情をしたり、またはすんなり聞き入れてもらえて拍子抜けした表情になったり。
どんな反応を示すかはその時になってみないと分かりませんが、ほぼ全員がきっとポジティブな反応を示すはずです。すると、今度はその反応を見るのがだんだんと面白くなってきたりします。
まずは難しことは考えずに、相手の意見に対して無条件で「なるほど!そういう考えもあるのか!」と声に出して言ってみてください。相手の発言に対し、まずはこの言葉をプレゼントしてあげてみてください。初めは抵抗があるかもしれませんが、一度慣れれば簡単に出来るようになりますから。議論するかどうかは、その後に考えればいのです。
と言うことで、「他人とぶつかることが多い人の特徴」と「その改善法」について、僕自身の分析と経験を踏まえて話させてもらいました。最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。この記事がもし、今後のあなたの人生にとって何かしらのプラスになれたなら嬉しく思います。
では。
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