子供に限らず大人でも、苦手なことってありますよね?
勉強にしろ運動にしろ、自分の子供が苦手だったり、周りの子供たちはみんな出来てるのに自分の子供だけ出来ないと、親としては心配ですよね。
「うちの子には、才能や能力といったものが無いんじゃないか?」
「もしかして、自分の教育が悪いんじゃないだろうか?」
「なんでもっと努力しないんだ」
「出来るようになるまで、もっと厳しく指導すべきか?」
親としては、あれこれ思ってしまうわけです。
子供が何かを出来ない時の要因は、前回の記事でも話しましたが『苦手意識』が大きな要因となっていることがとても多いです。苦手意識さえ無くなれば、子供は驚くほど出来るようになる。やれと言われなくても自分から進んでやるようにさえなります。
(前回記事:ダメな子・やる気の無い子が”出来る子”に変わる!伸びない子が共通して抱える根本的な原因とは。)
苦手意識を外してやるのが一番いい。でもそれが分かってても、一度苦手だと認識してしまうと子供はなかなか勇気を出して踏み出すことが出来ません。大人だって、自分の苦手だと思うことはしたくないものですよね。
ただ、苦手だからといって向き合うべき課題から子供が逃げ続けてしまうと、将来子供自身が困ることになってしまう恐れもあります。こんな時、子供の自主性に任せるべきか、それとも無理矢理にでも克服させるべきか。
あなたなら、どうします?
今回は、そんな時の対応について僕なりの考えを話させてもらいますね。
強制するか?自主性に任せるか?
子供が何をやるにしても、基本的に僕は子供の自主性に任せます。
もちろん子供を放ったらかしにするわけではないですよ。ただ、やるべきこと(学校の宿題など)があっても、それをやるかどうかは子供自身の問題です。だから子供が自分の意思と責任において向き合わなければならない課題であるということを、子供のレベルでも分かるよう噛み砕いて僕は子供に話していきます。そしてその課題に取り組みやすい雰囲気や環境作りといったものは、出来る限り作るようにしています。
そうやった上で、後はやるかどうかは子供自身の判断に任せ、あまり口出しはしないようにしています。
でも苦手だったりやりたくないからと言って初めから何もしない、全くやらなくてもいい、というのは違うと思います。勉強にしろ運動にしろ、どんなことでもまずは一通りやってみた方がいいと思います。出来るかどうかは別として、とりあえず何でも試してみるべきだと思います。
やる前から諦めるのは、可能性を切り捨てるのと同じことであり、子供の人生の可能性を狭めてしまうことになります。
でも、やらせてみて子供が上手く出来ない、他の子たちはみんな出来てるのに自分の子だけ出来ない、そんな時に
「自分の力で出来るようになるまでは許さない」
なんてことをする必要は無いと思います。
そんなことをしてしまえば、むしろそれに対する苦手意識を強めてしまい、場合によってはトラウマになって余計に出来なくなってしまいます。
人生を切り開く2つの力
じゃあ、出来ないことは「やっても出来ないんだから仕方ない」といって放っておけばいいのか?ということになりますよね。
中には放っておいても大丈夫なこともありますが、そうでないこともあります。勉強にしろ運動にしろ高得点を取らなくても大丈夫ですが、だからといって全く出来ない、全くしないというのも、やっぱり問題ありますよね。いずれ子供自身が、先の人生で困ることになってしまいます。
子供が苦手で出来ない、やりたがらない。
ならば、親が手伝ってあげればいいんです。
助けてあげればいいんです。
僕の子は、宿題をやりたがりません。やらないといけないと本人も分かっているんですが、特に苦手な科目の宿題なんかは苦痛らしく、途中で何度も投げ出します。
そんな時は、僕は子供と一緒に宿題の問題を解きます。
子供のすぐ横で、子供と一緒に宿題をします。
こういうことをすると、「すぐ誰かに頼るような人間になる」「なかなか自立出来なくなる」なんて心配が出てくるかもしれません。
でも大丈夫。そんなことにはなりません。何を隠そう僕自身が子供の頃、いつも宿題を兄や姉に手伝ってもらってましたから。宿題が間に合わなければ、兄がやってしまうことも何度かありました。
じゃあ僕が依存心の強い人間になったか?と言われれば、そんなこと全くありません。自立出来なかったか?と言われれば、普通に自立してます。
もちろん子供のやるべきことを親が代わってやってあげたらいい、なんてことを言ってるわけではありませんよ。それはただの過干渉であって、それこそ依存心の強い、自分では何も出来ない人間になってしまいます。
やるのはあくまで子供。子供自身が主体となり、自分のこととして取り組むというのが前提での話です。
自分が向き合うべき課題として子供が自らの意思で取り組む、そして上手く出来ずに苦しんでいる、そんな時に助けてあげる。子供に代わってやってあげるのではなく、子供が主体となってやるのを親や周りの人間がフォローしてあげるんです。
そして、そうやって自分が困ったり苦しんでいる時に周りから助けてもらえた経験をしたなら、そういう子は今度はフォローする側の人間になっていきます。何かに困ったり苦しんでいる人間を見ると、自分からフォローしてあげられるような人間になれる。そして人と助け合い、周りと協力し合えるような人間になっていけるのです。
弱点や苦手を克服する努力ももちろん大切ですが、弱点や苦手の全く無い人は一人もいません。完璧な人なんて、この世には存在しません。出来ないこと・苦手なことがあっても、全然おかしくないんです。
自分の人生は自分が主体となり、自分の力で切り開いていかなければなりません。でも、自分一人の力だけで生きていけるような人などこの世に存在しないし、全て自分一人だけで完結できるような人生など、一つも無いのです。
子供に限らず僕たちに必要なのは、『自分が主体となって自分の人生の課題に取り組み解決していく力』、そして『苦手な分野を周りの人間と協力し合って解決し乗り越えていく力』。
この2つの力が、僕らの人生の質を決めるのです。
子供には基本的に、子供自身が本当にやりたいこと・興味を持っていることをやらせてあげればいいと思います。
苦手分野を克服することももちろん大切ですが、苦手なことを克服するのは大人であってもやっぱりしんどいし、大変なことですよね。だからもし子供が自らの意思で苦手なことにチャレンジしようとしてるのであれば、それはとても良いことですよね。親として全力で応援してあげればいいと思います。
でももし子供が苦手でどうしてもやりたくないものを無理矢理にでもやらせる、出来るまで許さない、そんなことをすれば単に子供の苦手意識を強化してしまうだけです。
苦手分野の克服も大切ですが、それよりも得意分野を伸ばしてやる方が間違いなく子供の成長は早いと思います。得意なことであれば、やれと言われなくても子供は進んでやります。そして得意なことはどんどん上達していくし、それによって子供はどんどん自信を付けていきます。
そしてその自信は、他のことや苦手分野にも波及していきます。自己評価が上がり、その子供の能力の土台そのものが底上げされていきます。得意なことで突出すると、それが他の全てに良い影響を与えていくようになるのです。
そして苦手なことは、フォローしてあげればいいんです。
やるのはもちろん子供です。子供がやって、そして上手く出来なければ、上手く出来るように横から必要な分だけサポートしてあげればいいんです。場合によっては、子供と一緒に取り組んであげればいいんです。
もし、苦手だけどどうしても身に付けなければならないことなのであれば、いずれ子供自身が自分でそのことを理解し、自分の力で身に付けていくはずです。
子供が苦手なことは、無理矢理やらせる必要は無いし、無理に自分だけの力でやらせる必要もない。子供自身が向き合わなければならない課題だということを子供に理解させた上で、親として取り組みやすい環境や雰囲気を作ってあげる。
その上で、後は子供の自主性に任せる。そしてフォローが必要であれば、やりすぎないよう必要な分だけフォローしてあげる。
助けが必要なら、一緒に課題に取り組んであげる。協力して、一緒に課題を乗り越えてあげる。
これが正解かどうかは、後はあなた自身が実際にやってみて、そしてあなた自身で判断してみて下さい。
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