子供というのは精神的にある程度成長してくると、自我というものが芽生えてきます。子供なりに自分の考えを持ち始め、親の言うことに反抗したり反発し始めてくるものです。
あなたの子供はどうですか?
親であるあなたの言葉に反発したり、不満を持ったり…
親であるあなたの言葉を素直に聞かない、なんてことはないですか?
親というのは、当然ですが子供より長く生きています。知識も経験も親が上、親からすれば子供は人生の後輩になるわけです。親は自分のこれまでの経験を元に、子供へ様々なアドバイスや指示を出します。
でもせっかく子供のためを考えて言ってるのに、子供が反発したり、親である自分に不満を持ったりしたら、なんか悲しくなってきますよね。
だから子供がこちらの気持ちも理解せず反抗してくると、つい口調がきつくなったり、命令口調になってしまったり、力で抑えつけてしまったりすることもあると思います。
でもそんな時こそ、ちょっと冷静になって考えてもらいたいんです。
子供に向けて発したあなたのその言葉、それは子供のことを考えての言葉だとは思います。ですが、もしかするとその言葉、実は親であるあなた自身の一方的な願望だったりしませんか?
自分の行動に責任感を持たせるには…
子供に対していろいろ教えたり教育したりするのも、または子供に無駄な苦労や失敗をさせないようにフォローしたりするのも、子供を思ってのことですよね。
勉強が出来るようになってもらいたい、運動が上手になってもらいたい、強い子になってもらいたい、優しい子・思いやりのある子になってもらいたい…
そういった子供に対する期待も、子供が幸せな人生を送るために欠かせないものだと考えるからこそです。
でも子供に対する要求や期待というのは、突き詰めて考えると「親自身の願望」であることがとても多かったりします。
親の発する言葉というのは基本的に、その親自身の価値観や人生観から発せられています。どの親にも自分にとっての理想の子供像があり、無意識に自分の子供がそうなってくれるように子供に向けてアドバイスしていたり、場合によっては力づくで子供を自分の理想の形になるよう操作してしまってることがとても多くあるのです。
子供に対する親の言葉や行動の全てがそうだとはもちろん言いませんが、場合によっては子供の意思を無視した「親の理想の押し付け」や「親の都合の押し付け」になってしまってることがよくあるのです。
僕自身も、やっぱりそうです。
僕が子供に向けて言った言葉も冷静に振り返ってみると、単にその時の僕自身の都合を優先させるために出た言葉だったり。
子供のやったことを、子供の気持ちもよく理解せず、単に僕自身の価値観に照らし合わせて「良い・悪い」の判断を下して子供に押しつけていたり。
そういったことが、やっぱりあります。
でも、これまでも何度か話していますが、子供の人生は子供にしか背負うことは出来ません。親が代わりに背負ってあげることは出来ません。
つまり、子供の幸せは子供自身が決めること。
親が、親自身の価値観で勝手に決めつけたり、押し付けたりしてはいけないのです。
そして子供のことを思うのであれば、子供の行動は出来るだけその子本人に決めさせるようにして下さい。というのが人間というのは、自分の行動を自分で選ばないと、その行動に責任感を持つことが出来ないからです。
会社や仕事でもそうですが、例えば自分で考えることをせず上司から指示されたことをこなすだけなら、そこに責任感は生まれません。
「言われたことをただやっただけ。上司がやれと言ったんだから、それによってもし問題が起こったとしても、それは上司の責任。自分はただ指示通りに動いただけで、何も悪くない。」
自分の行動を、どこか他人事のようにとらえてしまう。
問題が起こっても、指示通りに動いただけだから自分は悪くない。
間違った指示を出した上司が悪い、むしろ自分は被害者なんだ。
そう考えるようになってしまいます。
そしてこれは、そのまま親子関係にも当てはまります。
子供は、自分の意思や気持ちとは関係なく親からの考えばかりを押し付けられてしまうと、自分で考えることをしなくなり、被害者意識ばかりが大きくなり、自分の人生をどこか他人事のようにとらえるようになります。
そして自分の人生で失敗することがあっても、親のせいにしたり言い訳ばかりをするようになり、自分の行動に責任を持つことをしなくなってしまいます。
だからそんな子供に向かって「責任感を持って行動しろ!!」なんて言っても、無理なんです。他人から押し付けられた行動に責任感を持てなんて言われても、無理なんです。
だから子供の行動に責任感を持たせるためにも、子供の行動はその子自身に決めさせるようにしてください。自分で自分の行動を決める権利を、子供に与えてください。
自分で考え自分で行動を起こせば、何か問題が起こっても自分で責任を取らなければならなくなります。すると、自然と自分の行動にも責任感が生まれてきます。
とはいっても、何でもかんでも子供に任せっきりだと大変なことになります。自分で決める以前に、明らかに方向性を間違ってる時もあります。子供だけに任せられないことなんかも、当然あります。
そんな時は、子供にアドバイスしながら選択肢を限定したりせばめたりなどしながら、ある程度方向性を整えてあげてください。
大切なのは、子供が「自分の意思で決めた」と思えること。自分の決めた行動には、責任感が生まれます。反対に、押し付けられた行動には被害者意識しか生まれません。
と言うことで、子供と接している時や子供と話をしている時、もし子供が不満そうな顔をしていたり、子供と意見がぶつかってしまうようなことがあれば、そんな時は冷静になって自分の言葉や自分の考えに意識を向けてみてください。
それは果たして「子供の意思」か?
それとも「親である自分自身の願望の押し付け」か?
子供の人生は子供のものであり、その子自身が自分の責任において背負っていかなければならないもの。だから自分の人生に責任を持たせるためにも、自分の行動は出来るだけ自分の意思で決めさせてあげてください。「自分の行動は自分で決める」この経験を積み重ねていくことによって初めて、子供は一人の人間として自立をしていくことが出来るのですから。
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