『レディーファースト』
だいぶ日本でも浸透してきましたよね。
海外ではレディーファーストが当たり前で、紳士として身に付けなければならない教養のひとつみたいな感じでとらえられてますよね。
このレディーファーストという考え方、実は僕、この考え方にずっと疑問を持っていたんです。
違和感みたいなものを、ずっと持っていたんです。
あなたはどうですか?
海外では当たり前の考え方、あなたは良いと思いますか?
今回は、なぜ僕が疑問に思ってるのか、そしてなぜ日本にはレディーファーストがいまいち根付かないのかについて、僕なりの考えを話していこうと思います。
僕がレディーファーストに疑問を持つようになったきっかけ
僕がなぜレディーファーストという考えに疑問を持つようになったのか、それはまだ僕が20代だった頃に遡ります。
当時僕には、付き合っていた女性がいました。
その女性と車で出かけていたある日、彼女が車の助手席に乗る際、車のドアを開けてあげました。
当時僕の乗っていた車はスポーツカーで、座席も低く、正直ちょっと乗りにくいような車でした。
だから僕は気を利かせて車のドアを開けてあげたんです。
でも彼女が助手席に座って車を走らせようとすると、彼女が僕に一言。
「こういうことは、もうしないでね。」
僕は気を利かせてドアを開けたつもりだったんですが、彼女はその行為が気に食わなかったようです。
それ以来、彼女に対してそういった行為は、一切やめました。
当時付き合っていたこの彼女、とても派手好きで、香水の匂いをプンプンさせながらハイヒールでカツカツ歩くような女の子でした。
また、仕事になると人が変わったように真剣になり、誰よりも仕事を覚えるのが早い、本当に仕事の出来る子でした。
そして、とてもプライドの高い女の子でした。
僕がやった「車のドアを開けてあげる行為」。
彼女はおそらく僕にドアを開けてもらうことによって、彼女自身が僕に見下されたと感じたんだと思います。
自分が下に見られたと感じたんだと思います。
僕は彼女のプライドを傷つけてしまいました。
そしてこの時から僕は、レディーファーストというのは、ある意味女性を見下す行為なんじゃないかと考えるようになりました。
「レディーファースト=女性差別」という図式が、僕の頭の中に出来上がってしまいました。
だからそれ以来僕は、彼女に対してだけでなく全ての女性に対してレディーファースト的な行為はやめました。
だからといって、もちろんレディーファーストを全て否定しているわけではないですよ。
例えば男と女とでは単純に力の差がありますから、女の子が重いものを持ってたら男が代わりに持ってあげるのは当然です。
男が得意なことは、男がやってあげるべきだと思います。
でもレディーファーストのように、相手が女性だからしてあげる、女性じゃなければしてあげない、というのはちょっと違うような気がします。
男と女は、力や得意分野、または性別によるいろいろな違いはありますが、あくまで対等の関係です。
人としては、対等の関係のはずです。
女性だから優先してあげるというのは、ある意味女性を見下してしまっている。
男の方が優れている、男の方が優位に立っているという意識があるからこそ、女性を優先してあげるという発想が生まれるのではないでしょうか。
僕は自分が行動を起こす時、常に “人として正しいか?” ということを基準にしています。
他人が困っている時や助けが必要な時、その相手が “女性かどうか?” というのは基本的に関係ありません。
相手が男性だろうと、女性だろうと、子供だろうと、年配の方だろうと、助けが必要であれば関係なく助けます。
レディーファーストという考え方がある限り、男女平等の世の中はいつまで経ってもやって来ないような気がします。
日本は女性が大切にされてない国?
日本って、レディーファーストの文化が根付きませんよね。
今ではすっかり耳にしなくなりましたが、昔は “亭主関白” なんて言葉もありました。
うちの父親なんか、正にそうです。
じゃあ海外に比べて日本は昔から男尊女卑の国なのか? 女性が大切にされてない国なのか? と言われれば、僕はそんなことないと思います。
日本の文化は間違って解釈されてるんじゃないか、と僕は思うんですよ。
例えば昔は、「女は男から三歩下がって歩け」なんてことを言われてたわけですが、これは「女は男を立てろ」みたいな意味に取られてますよね。
でも、本来は違うと思います。
昔の日本は、現代のような治安の良い安全な国ではありませんでした。
特に刀や刃物を携えていた時代は、いつ切りかかられるか分からない、いつ危険が身に及ぶか分からない、そんな状況だったのではないかと思います。
だから男は女を守るため、自分の後ろを歩かせていたのではないかと思います。
刀で切りかかられても、男が身を挺して女を守る、男が危険の矢面に立つために、女を後ろに歩かせていたんじゃないかと思うんです。
また食事の時は、一家の主が食事に箸を付けるまでは他の者は食べてはいけないというのが昔は常識でした。
でも、これも一家の主が自ら毒味をすることによって女・子供に危険が及ぶのを守っていたんじゃないでしょうか。
また昔は、食事の準備は必ず女性の仕事でした。
でも、これも単に女性にやらせていたのではなく、深い信頼関係から生まれた文化ではないかと僕は考えています。
というのが昔も今も、火事を起こしてしまうと大変ですよね。
特に昔の日本の家はほぼ木造建築だったわけですから、一旦火事が起こってしまうと一気に隣へと燃え広がっていきます。
そして台所というのは、火を扱う場所であり、火事の起こる可能性の最も高い場所。
そんな危険な場所を任せるというのは、それだけ女性のことを信頼してなければ出来ないことです。
日本には昔から、レディーファーストという考え方はありません。
日本人に根付いているのは、レディーファーストのように女性を優先してあげる文化ではなく、男性が身を挺して女性を守ろうとする文化。
おそらく昔の日本ほど男が女を守ろうとする社会は、世界中探したって無いんじゃないでしょうか。
本来日本人は、男が女や子供を守ろうとする意識がとても強い民族。
無理して海外の真似をする必要なんて無い。
日本人は日本人らしくあればいい、と僕は思います。
あなたはどうですか?
レディーファーストという文化、どう思いますか?
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