あなたの所属する職場、学校、団体、友人、家族や親戚…そんな中で、「何が言いたいのか、よく分からない相手」っていませんか?
話が通じない、理解できない、そんな、意思の疎通が出来ない相手。
コミュニケーションとは、本当に難しいものです。
自分の思っていることが相手になかなか伝わらない、または相手の考えていることがイマイチ理解できない。
伝えたつもりが相手に伝わってなかったり、聞いてないのに相手に「ちゃんと説明した」と言われたりすることは、誰しも日常の中であること。
でもそうかと思えば逆に、何も言われなくても相手の言いたいことが理解出来たり、言葉で説明されなくても相手の行動を見て分かることもありますよね。
なぜこのような違いが生まれるのか?
実は、”あるもの”が僕らの意思の疎通をスムーズにしたり、逆に意思の疎通を邪魔したりしているのです。
では、この”あるもの”とは一体何なのか?
僕らのコミュニケーションや意思の疎通を制御している”あるもの”の正体について、これから話していきますね。
これを理解することにより、あなた自身のコミュニケーションの質そのものが、全く変わることとなります。
意思の疎通を邪魔しているものの正体
これまでのあなたの人生で、意思の疎通がスムーズにいく相手、または逆になかなか意思の疎通が出来ない相手がいたと思います。
その人たちのことを、ちょっと思い出してみて下さい。
あなたにとって意思の疎通がスムーズにいく人たち、その人たちとの関係は良好な場合が比較的多くなかったですか?
相手と仲が良かったり、または相手に対して良い印象を持っていたり。
逆に意思の疎通が上手くいかない人たち、その人たちとの関係は良くない場合が多くありませんでしたか?
相手とあまり仲が良くなかったり、場合によっては敵対していたり、またはお互いに良い感情を持っていなかったり。
実は他人との意思の疎通をスムーズにしたり邪魔したりしているのは、お互いの中にある“感情”なんです。
相手に対するいろんな感情が、相手に対する勝手な思い込みを作り出し、そしてその思い込みが意思の疎通を邪魔しているのです。
感情が作り出す”思い込みのフィルター”
とは言っても、人によっては説明が上手な人もいれば下手な人もいると思います。
要点を上手くまとめて分かりやすく話す人もいれば、中には自分の思いつくままに話す人もいる。
相手の話し方によって、こちらの理解度も当然違ってきます。
でも、例えばですよ。
あなたがその相手とすごく仲が良いとしたら、どうです?
自分と仲の良い相手が自分のことを悪く言ったりすることはまずない、普通はそう思いますよね。
実は仲の良い相手だと、あなたの中に「相手が俺(私)のことを悪く言うことは無い」という思い込みが勝手に作られるものなんです。
すると無意識に、相手の発する言葉をプラスに受け止めようとする。
多少ネガティブな言葉も、自分の中で勝手にポジティブな意味に変換してしまう。
そして人間というのは、自分に向けられた好意的な言葉に対しては積極的に理解しようとする心理が働くもの。
では逆にあなたが大嫌いな相手だったら、どうです?
仮に相手があなたに向けてどんなに良いことを言っても、信用できない。
あなたを褒め称える言葉でさえ、その言葉をそのまま受け止めることが出来ず、ひねくれて解釈してしまうんじゃないでしょうか。
つまり相手に対し好意を持っていれば、相手の言葉を理解しようとする心理が働く。
逆に相手を嫌っていれば、相手の言葉を全て捻じ曲げて解釈しようとする心理が働き、意思の疎通が難しくなってくる。
つまり実はみんな、相手の発する言葉を自分にとって都合良く解釈しているのです。
相手の発する言葉そのままを聞いているのではなく、感情によって作られた「相手に対する思い込み」というフィルターを通して相手の言葉を聞いている。
だから相手に対してどんな感情を持っているかによって、意思の疎通がきちんと図れるかどうかが決まってくる。
分かりやすく言うと、相手のことを嫌えば嫌うほど、相手との意思の疎通は難しくなる。
・相手を嫌う
↓
・意思の疎通が難しくなる
↓
・ますます相手が嫌になる
↓
・それが態度に出る
↓
・相手もそれを感じ取る
↓
・ますます相手との距離がひらく
↓
・ますます意思の疎通が図れなくなる
…と、こういうことです。
もちろん、元々意思の疎通が得意ではない人もいます。
話し上手な人もいれば、話下手な人もいます。
でも、冷静になって自分自身を振り返ってみてください。
あなたにとって”意思の疎通が上手く図れない相手”、その相手に対してあなたは偏った思い込みを持っていませんか?
自分の思い込みによって、最初から相手のことを決めつけてしまった状態で、相手の話を聞いていませんか?
全ては感情が作り出す「思い込みのフィルター」が原因。
あなたの中にある感情が、相手との意思の疎通を邪魔しているのです。
意思の疎通をスムーズに図るためには
そもそも自分の嫌いな相手とは、誰しも意思の疎通を図りたいとは思いません。
分かり合いたいとも思わないでしょう。
でもだからと言って、好きではない相手とは一切関わらずに生きていくなんてことは、やっぱり出来ません。
学校でも、会社や職場でも、親戚や近所でも、お客さんやネット上でも、やっぱり合わない相手や気に入らない相手というのはどうしても存在するもの。
そしてそんな相手とも、意思の疎通を図らないといけない場面は出てくる。
そして周りと上手く意思の疎通が図れなければ、最終的には自分自身の首を絞めることとなる。
結局は、自分が困ることになる。
じゃあ誰とでも上手く意思の疎通を図っていくためには、どうすればいいか?
もしあなたが周りの人間とスムーズに意思の疎通を図りたいと考えているのなら、まずは「相手を理解しようという気持ち」を持つことです。
相手に対するいろんな印象やイメージはあるでしょうが、そういった先入観や相手に対する決めつけを出来るだけ持たないようにする。
つまり、相手に対する先入観や決めつけを作り出す「思い込みのフィルター」を出来るだけ通さずに相手を見るのです。
そのためには、自分の中にある感情をニュートラルな状態にしていく。
相手に対する個人的な感情はあるでしょうが、相手のことを理解し意思の疎通を図るつもりなら、相手に対する好き・嫌いといった感情は一旦置いて、心を白紙にしたイメージで相手の話を聞くのです。
そして、純粋に相手の話を聞くことに集中する。
よく目にすることがあるんですが、みんな相手の話を聞きながら、その話に対する切り返しや返事だったり、「どんなコメントをしようか?」とか一生懸命考えながら聞いていることが、ホントに多い。
相手から心が離れた状態では、相手の伝えたいことを理解することは出来ません。
どんなコメントを返すかなんていいから、「相手が何を言いたいのか?」「相手は何を伝えようとしているのか?」ということに集中するのです。
相手が本当に欲しいのは、気の利いたコメントなどではなく、心から理解してもらうことなんですから。
ということで、周りと意思の疎通を図るために必要なことは、
「相手に対する好き・嫌いといった感情は一旦置いて、感情をニュートラルにし、相手に対する先入観や決めつけ・偏見といった”歪んだ思い込みのフィルター”を出来る限り手放す。」
そして、その状態で
「相手の話に対してどんな返事を返そうか?などといったことは考えず、相手の話す言葉や伝えようとしていることに集中する。」
これらのことを、意識してやってみてください。
いきなり完璧にやろうと思っても難しいと思いますが、意識しているのとしていないのとでは、やはり違います。
意識して続けていれば、他人に対する理解力は深まっていき、今まで以上に周りと意思の疎通が図れるようになってくるはずです。
そしてまた、あなたの「他人を理解しようとする姿勢」が、雰囲気やボディランゲージとなって相手に伝わるようになります。
すると、相手も自分を理解してくれようとするあなたの姿勢を見て、あなたに対する話し方が次第に変わりはじめます。
さっきも言いましたが、相手が本当に欲しいのは、気の利いたコメントなどではなく、心から理解してもらうこと。
人は理解しようとしてくれる人にこそ、本音を言う。
理解してくれる人と、意思の疎通を図りたいと思うものです。
意思の疎通とは、相手を理解すること。
相手に対する理解が深まるほど、意思の疎通はスムーズになっていくのです。
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