こちらの言うことを聞いてくれない
何度言ってもこちらの思うように動いてくれない
いつも不満そうな態度を取られる
事あるごとに、いちいち反発される
いつの間にか孤立してしまっている
誰も俺のことを理解してくれようとしない
誰も協力してくれない
気付けばいつも敵だらけ…
生きることは、ある意味他人と競争し続けているようなもの。
それがお互いを高め合えるような競い合いであればいいのですが、お互い足の引っ張り合いになってしまったんじゃあイヤですよね。
会社で同僚や部下が指示通りテキパキ動いてくれない
学校でいつもみんなから反発を受ける
家庭で安らぐ場所がない
一日の大半の時間を占める会社や学校や家庭などで、もしこんな状態だとツライですよね。
あなたはどうですか?
あなたを取り巻く人間関係は良好ですか?
もしかして、「人が思うように動いてくれない」「みんな自分勝手でこちらの言うことを聞いてくれない」…なんて思うことがあるんじゃないですか?
なぜ周りがあなたの思うように動いてくれないのか、なぜあなたに対して反発してくるのか、それには実はちゃんとした理由があるんです。
これからその理由と、あなたに反発・対立してくる相手をあなたの思うように動かすための方法を説明していきますね。
これさえ理解すれば、あなたの言うことを聞かなかった人やあなたと対立関係にあった相手が、場合によってはあなたの味方になり、あなたのために動いてくれるようにもなってくれるのです。
意見が正しくても通らない!?
相手と意見がぶつかってしまった、相手が反発して言うことを聞いてくれそうにない、でもあなたも自分の意見を通したい、こんな時あなたならどうやって相手を説得しますか?
おそらく相手の考えの甘さや間違いを指摘して論理的に説得したり、自分の意見がいかに正しいかを主張したりなどすると思います。
中には相手の言葉をふさいで、強引に自分の意見を押し通してしまうなんて人もいるでしょう。
それによって仮にあなたの意見が通ったとします。
でもその後、果たしてあなたの思うように事は進んでくれるでしょうか?
「お前の意見が正しいよ」と、相手は快く協力してくれるでしょうか?
僕は今サラリーマンをしており、今いる業界には20代前半に飛び込みました。
僕の仕事は「営業 兼 サービス業」であり、その当時相手をしていたお客さんは基本的にみんな年上ばかりです。
時には大勢の人をいっぺんに相手したり説得したりするようなこともします。
で、業界に入った当初は右も左も分からず、周りの意見を聞きながら必死に仕事をしていました。
誰にも負けないよう一生懸命勉強した結果、知識と共に経験も増え、ある程度の場数をこなした僕は次第に勘違いをし始めるようになっていきました。
「僕が相手をするお客さんは、僕の親世代やそれ以上の年長者ばかり。
しかし社会経験はお客さんが上でも、この仕事に関する知識も経験も、比べ物にならないくらい僕がはるか上。
だから僕がお客さんにいろいろ教えてあげなくちゃならない。
お客さんが間違ってたらそれを指摘して気付かせてあげないといけない。
お客さんが間違ってることをちゃんと教えてあげなくてはいけない。
僕が教えてあげる立場であり、お客さんより僕の方が上なんだ。」
こんな感じで、自分でも気付かないうちにお客さんを見る目が”上から目線”になっていたのです。
でもお客さんからしてみれば、僕は自分の息子やそれより下の世代。
社会のこともろくに分かってない若造です。
だから、「まだお前は分かってないな」的なこともずいぶん言われました。
でも僕からしてみれば、お客さんこそ何も分かってないただの素人。
自信過剰になっていた僕は、お客さんからの意見や反論なんかを自分の知識や経験などを使って全てねじ伏せていってしまったのです。
お客さんの間違いを指摘して直させ、正しい知識に基づいて進めていくことが僕にとってもお客さんにとっても一番良いこと。
これこそまさに”WIN-WIN”の関係。
当時の僕はそう思っていました。
でもそれは大きな間違いであることに気付きました。
いや、気付いたというか気付かされることとなったのです。
お客さんの間違いを指摘してあげて、最良の選択をさせてあげたのに、お客さんはちっとも喜んでくれないんです。
喜んでくれるどころか、場合によってはむしろ険悪なムードになってしまい、どんどん仕事がやりにくくなっていったのです。
お客さんが僕の望むように動いてくれず、とうとう段取り通りに仕事が進まなくなってしまいました。
相手を味方に付けるには
相手の考えの甘さや間違いを指摘し自分の意見を通せば、その場は自分の思い通りに事を進めることはできるでしょう。
でもそれじゃあダメなんです。
自分の意見を通そうと思うのなら、自分の意見の正しさを主張するのではなく、相手の感情を納得させなければならないのです。
相手の意見や思いをねじ伏せたり打ち負かすことはできても、そこには必ず不満や反発が生まれ、相手はそれを引きずり続けます。
あなたの意見が正しければ、表面上は相手も協力する素振りは見せるでしょう。
でもそこに感情が付いてきてないのです。
頭では納得できても、気持ち的には納得できてないのです。
感情が伴わなければ、行動にも当然力が入りません。
それどころかもしかしたらあなたの計画が上手くいかないよう意図的に作業効率を落とされるかもしれません。
露骨に邪魔をされるかもしれません。
1+1が2になるどころか、マイナスにすらなりかねないのです。
人はそれぞれ違う価値観や考え方を持っています。
僕もあなたもみんな価値観は違う、みんなそれぞれ自分の価値観・ルールに従って生きているのです。
だから意見が食い違ってしまうのも当然のことなんです。
でも意見や考え方が違っても、相手が好意的に協力してくれることもあります。
例えあなたと意見が違ってても、感情面で納得すれば人は協力してくれるものなんです。
例えあなたが間違ってても、感情面であなたのことを受け入れていればあなたに付いてきてくれるのです。
分かりやすく言えば、あなたがすっごく大嫌いな人がいくら正しいことを言ってても、聞く気にもなりませんよね。
逆にあなたが大好きな人が間違った考えをしてても、その気持ちは酌んであげたい、何とかフォローしてあげたい、力になってあげたいと思いますよね。
人というのは、例え論理的に納得できても感情面で納得できていなければ、無意識の内に力をセーブしてしまうものです。
逆に感情面で納得できていれば、より力を発揮してくれるようになります。
1+1を3にも4にもするためには、何よりもまず相手の感情を納得させる必要があるのです。
じゃあどうすれば相手は感情的に納得してくれるのか?
相手を感情面で納得させ、全面的に協力してもらうためにはどうすればいいのか?
そのためには、相手の意見や考えを認め、しっかりと受け止めてあげることです。
例え自分の意見と対立してても、「うんうん、なるほど! あなたの言うことも一理あるね。」と認めてあげ、相手のことを評価してあげることが必要なのです。
言い方は悪いかもしれませんが、相手の気持ちを満足させてあげることが大事なのです。
例え意見が対立してても、相手が自分の考えをしっかりと受け止めてくれて、そして自分のことを認めてくれると、相手の意識から「対立している」という認識が無くなっていくのです。
「自分の思いを分かってもらえた」と感じ、こちらを”敵”と認識しなくなる、場合によっては対立しているにもかかわらずこちらを”仲間”だと感じてしまうのです。
人というのは、否定には否定、拒否には拒否で返してくるものです。
あなたも自分のことを拒否してくる相手を受け入れる気にはなれませんよね。
拒否してくる相手の意見なんか、それが正しくても反射的に拒否したくなりますよね。
だからまずは相手のことを否定せず認め、受け止めてあげた上で、それから自分の意見を述べるのです。
そうするとこちらの意見も受け入れてもらえ易くなり、なおかつその後も協力してくれやすくなるのです。
これは仕事や学校、家庭や仲間内、全ての人間関係に共通して言えることです。
子供に接する時なんかも同じです。
自分がされたらどう思うか、自分だったらどのようにしてもらうと嬉しいか、それを考えるとおのずと答えは出てくるものです。
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