あなたの子供は、過ちを犯した時・周りに迷惑をかけてしまった時に、素直に謝ることが出来ますか?
場合によっては子供がまだ幼過ぎて、自分のやってしまったことがよく分かっていない、または謝るということ自体を理解出来てない場合もあると思います。
そんな時は保護者や大人たちが、その子供が理解出来るレベルにまで噛み砕いて教えてあげればいいと思います。
でも、自分のやったことが理解出来るレベルであったり、謝らなければならないことを本人が分かっているはずなのに、頑なに謝らない子供や謝れない子供もいます。
すると、大人の方もイライラし始め、最後は「謝れ!」と謝罪を強制してしまったりします。
謝るべきはずなのに謝らない、謝れない。
その原因と対処法について、僕なりの経験から導き出した考えを話していきますね。
子供が素直に謝らない・謝れない理由
子供が謝らない・謝れない理由というのは、その時の状況によってもいろいろあると思います。
例えばその子供が「納得出来ていない時」。
・自分は間違ったことをしていない
・悪いのは自分ではない
・他の子供はもっと悪いことをいっぱいしている
・みんなでやったことなのに自分だけが叱られている
こういった時というのは、なかなか素直に謝れなかったりします。
これは子供に限らず大人もそうですよね?
納得出来ないことは素直に謝る気になれないというのは、大人であろうと子供であろうと同じ。
そんな時は子供を一方的に責めず、たとえいい訳であろうとじっくり話を聞いてあげることが大事です。
でも明らかに自分が悪い、そしてそのことを本人も分かっているにもかかわらず、謝らない・謝れない子供もいる。逆にこちらが叱らなくても、自分から進んで謝罪してくる子供もいる。
なぜこのような違いが出てしまうのか?
ところであなた自身、これまでの人生の中で「誰かに謝る」という経験をしてきたと思います。その時のことを、ちょっと思い出してみてください。
あなたはなぜ、相手に謝ったのか?
それは当然、自分が相手に迷惑をかけたから。
では、その謝罪の目的は一体何か?
それは、迷惑をかけた相手に許してもらうため。
そう、謝罪という行動の真の目的は、「相手から許しを得ること」。相手に許してもらうために謝るのです。
では例えばですが、自分のミスによって人に迷惑をかけてしまい、その相手はどんなに謝っても絶対に許してくれない、そんな状況だったらどうです?ものすごく謝りにくくないですか?
仮にあなたがサラリーマンだとして、あなたのミスによって上司に多大な迷惑をかけてしまった。
そんな時あなたの上司が、
「人間誰しも失敗はある。むしろ失敗しなければ人は成長しない。だから恐れずどんどん失敗してこい。お前らの尻拭いをするために上司の私がいるんだから、失敗した後は全て私にド~ンと任せろ!」
みたいな人だったら、ミスをしてもすぐに報告して謝罪できますよね。
でもあなたの上司が、
「失敗は絶対に許さない!ミスを犯せばとことんまで責任を追求して追い詰めてやるからな。どんな理由があろうと、失敗は絶っっ対に許さない!!」
こんな上司だったら、誰であっても報告しにくいし、謝りにくいと思います。どうせ絶対に許されないと思うと、謝る気さえも失せてしまうんじゃないでしょうか。
つまり人というのは、許されることを前提に謝っている。
つまり許される可能性があるから、謝れる。
しかし許される可能性が完全にゼロなら、謝る気力さえ失う。それが僕ら人間です。
そしてこれは、僕ら大人だけでなく子供も同じ。子供も許してもらえるからこそ、謝ることが出来る。許されないと思えば、謝らなければならないと思っても謝れなくなる。
つまり子供が周りに迷惑をかけた時、素直に謝罪の言葉を言えるようになるためには「許される」という経験が絶対に必要ということ。許されるという経験をしっかりと積まなければ、大人に比べて特に子供は怖くて謝れなくなってしまう。
だから子供が人に迷惑をかけてしまった時、それを指摘し注意することももちろん大切ですが、それ以上に大切なのは許してあげること。
また子供が背負いきれない失敗をしてしまった時は、親や保護者であるあなたが何が何でも助けてやる、どんな時も子供にとっての一番の味方になってやる、そのことを子供に伝え、子供を安心させてあげること。
だから子供が失敗した時、
・徹底的に責めて子供を精神的に追い込んでしまう
・子供にとって重すぎる罰やペナルティを課してしまう
・子供の人格そのものを否定するようなことを言ってしまう
・もう済んでしまったことを、後から何度も何度も蒸し返す
そういったことをしてしまうと、子供は「あぁ、僕(私)はもう許されないんだ…」そう感じ、ますます謝らなくなっていくのです。
そして許される経験を積むことなく育った子供は、どうなるか?
そういった子供は、自分が許されなかったように他人のことも許せなくなる。
そしてその子が大人になり自分の子供が生まれれば、自分の子供に対してもやっぱり同じように許せなくなる。ひたすら負の連鎖が続くことになるのです。
もしあなたが子供時代に大人たちから”許してもらう”という経験を積ませてもらうことが出来なかったのなら、その負の連鎖、ここで断ち切らなければなりません。
そのためにはまずは、自分のことを許してあげなければなりません。
これまで自分の思うように振る舞ってこれなかった自分自身を、許してあげる。
これまでの自分の頑張り、苦しみ、辛かった思い、そういったものを自分で気づいてあげて、それをきちんと自分で認めてあげる。
自分のことを許してあげられなければ、他人のことも許してあげられないし、自分の子供のこともなかなか許してあげることは出来ません。
人は許されるからこそ、謝ることが出来る。
許してもらえるからこそ、人にも優しくなれる。
子供の間違いを指摘し教えてあげるのも、保護者や大人の大切な役目。
でも僕らが一番すべきことは、まずは「子供を許してあげること」だと、僕は思います。
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