組織のメンバーのミスや失敗というのは、その責任を取るべき立場であるリーダーにとっては頭の痛いこと。
僕もこれまで、若い頃に自分のミスによって組織のリーダーから叱られたり、またはベテランになってから部下や後輩の失敗の尻拭いをしたりと、それぞれの立場を経験してきました。
何かにチャレンジするなら、失敗は避けて通ることは出来ない。
でも組織のリーダーとしては、メンバーの失敗はやっぱり、少なければ少ないほどいいに決まってる。
では、組織をまとめ発展させていくためには、部下やメンバーがミスや失敗をした時、その人間に対してどのように働きかけていけばいいのか?
どうすれば部下やメンバーがその能力を最大限発揮し、自主的に動くようになってくれるのか?
僕なりの経験を交えながら、話していきますね。
失敗した人間こそ評価しろ
組織をまとめていく上で、僕自身が心がけていることがあります。
それは
『動かないこと・何もしないことが、組織から一番のマイナス評価を受けてしまうという空気を作ること』
です。
僕は基本的に、失敗した人間を責めません。
むしろ、逆です。
僕は失敗を評価するように心がけています。
人はなぜ失敗をしてしまうのか?
その原因は、その時の状況や、その人間によって、様々だと思います。
でも1つだけ、言えることがある。
それは、「基本的に何かアクションを起こさないと、失敗は生まれない」ということ。
行動しなければ、成功も無ければ失敗も無い。
何かをしようと動けば動くほど、失敗のリスクは当然高くなる。
行動するほど、失敗する回数も増えてくる。
つまり失敗をする人間というのは、それだけ行動を起こしているということでもある。
でも日本の社会というのは、失敗に対する目がすごく厳しい。
何か失敗すれば、すぐに批判される。
一度失敗すれば、事あるごとにその失敗を蒸し返されてしまう。
だから日本人は、失敗することを極端に恐れる人が本当に多い。
そして人というのは基本的に、プラスの出来事よりマイナスの出来事に、より感情を動かされるもの。
例えばですが、僕があなたに
「”A”をしたら、あなたは100万円も得をしますよ。でも”B”をやらなければ、あなたは100万円も損をしてしまいます。」
こう言われたら、どうです?
あなたの目の前に、100万円手に入れるチャンスと、100万円失うリスクの2つがある。
どちらの行動を優先するか?
おそらくは、まずは100万円を失わないための行動”B”をして、その後にもし余裕があれば100万円の得をするための行動”A”をするのではないでしょうか。
人というのは、得をすることによるウキウキ感より、損をすることによる不安や恐怖心に、より強く反応してしまうもの。
つまりポジティブなことよりネガティブなことに、より強く反応する。
だからどうしても、成功した時の達成感が、失敗した時の恐怖心に負けてしまう。
特に自分が失敗した時に上司やリーダーから責められてしまえば、それ以降は成功することより失敗しないことを選ぶようになってしまう。
つまり、その人間は何もしなくなる。
何もしなくなるから、その人間が今後成長することは無い。
そして組織内の人間が成長しないのだから、今以上に組織が成長していくことも、当然無い。
失敗することも無ければ、成功することも無い。
その結果、組織は時代や状況の変化に対応出来なくなり、どんどん衰退していく。
組織にとっての一番の失敗、それは組織のメンバーがミスや失敗を犯してしまうことではなく、組織のメンバーが行動しなくなることなんです。
そして失敗をしてしまうということは、その人間が行動を起こしているという証拠。
だからあなたがリーダー的な立場であるなら、失敗した人間に対しては、まずはその人間が行動したことを評価してあげなければならない。
失敗を責めたり叱ったりすることが、リーダーの仕事では決してないのです。
リーダーの役割とは?
仲間が失敗した時こそ、いかにその相手を勇気づけてあげられるか?
それがリーダーの役割だと、僕は思っています。
責任を追及することがリーダーの仕事ではない、そう思います。
失敗を責めれば責めるほど、その人間は失敗を恐れて行動しなくなる。
そうなれば、組織がダメになるのはもう時間の問題。
リーダーであるあなたの仕事も、増えていく一方になる。
メンバーを成長させ、組織を発展させていきたければ、「失敗=動いているんだ」ととらえ、その失敗した行動そのものを評価する。
そして失敗したなら、挽回のチャンスをその人間に必ず与えてあげること。
失敗して一番痛い思い、悔しい思い、情けない思いをしているのは、他の誰でもない本人。
本人としては、失敗した分を取り返したいはず。
そして人は、成功している時よりも、失敗した時の方が、はるかによく動く。
だから、そんな時こそその人間を仕事などから外すようなことをしてはならない。
リーダーの都合や面子(メンツ)や感情で、失敗を取り返すチャンスを奪ってはならない。
部下やメンバーが失敗した時は、叱ったり責めたりしてその人間を締め上げるのではなく、敗者復活のチャンスを与え、フォローをしつつその人間の思うように、出来るだけ自由にやらせること。
その人間のやる気を抑え込むのではなく、その人間の力を自由に解放させるのです。
メンバーが失敗した時こそ、リーダーであるあなたの腕の見せ所です。
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