あなたの子供は勉強、好きですか?
勉強が嫌いな子・苦手な子、本当に多いですよね。かく言う僕も、子供の頃は勉強があまり好きではなかったんですけどね。
ところで “勉強が出来る子” と “出来ない子” 、その差は一体何だと思いますか?
人によって得手不得手、得意分野と苦手分野は違うと思います。人によって様々な “差” や “違い” もあります。
でも僕ら人間に備わっている能力というものには、元々それほどの差は無いはずです。生まれながらの天才なんて存在しません。なのになぜ、放っておいても自ら好んで勉強するような子もいれば、いくら尻を叩いても全く勉強しない子もいるんでしょうか?
生まれ育った環境というのも、大きな要因のひとつだと思います。でももっと根本の部分、”伸びる子” と “伸び悩んでしまう子” とを分けている境界線。そして勉強だけでなく、子供の苦手なことに対して親として無理矢理にでも本人にやらせて克服させるべきなのか?といったことについて、僕なりの考えを話していきますね。
出来る子と出来ない子の境界線
僕は小学生の頃、とても勉強が嫌いでした。
授業を聞いても、内容が全く頭に入らない。
テストはいつも赤点。
本当に勉強の出来ない子供でした。
正直言って、学生時代に一生懸命勉強した記憶はありません。僕は勉強してません。でも勉強していないにもかかわらず、ほとんど苦労もせずに大学まで卒業しました。
一生懸命勉強してるのに、受験に失敗する人。
逆に僕のように一生懸命勉強をしてないのに、合格する人。
なぜこうも差が出てしまうのか…?
考えた結果、僕が実体験から導き出した答え、それは「苦手意識」です。
例えば僕は小学生の頃、勉強に対して強い苦手意識を持っていました。
テストではいつも悪い点数しか取れず、自分の頭の悪さに対して強い劣等感を持っていた僕は、
「僕はどうせ勉強したってできるようになんてなれない」
「授業を聞いたって僕に理解できるわけが無い」
いつもそう思っていました。
ところがある時、テストで高得点を取ってしまったのです。
次の日に国語のテストがあり、ちょっとしたきっかけで前日にテスト勉強をしたのですが、偶然にも勉強したところがそのままテストに出ました。これまでテストで赤点しか取ったことの無い僕が、これまでではありえないような高得点を取ってしまったのです。
そしてこの時から、僕の勘違いが始まりました。
「国語って、何て簡単なんだ…僕は国語が出来るんだ!!」
それからというもの、国語に関しては授業で聞く内容がスルスルと頭に入るようになりました。
そのテスト以降も、国語の勉強を特に一生懸命やったわけではありません。でも不思議と国語だけは常に高得点が取れてしまう。家で予習・復習をしなくても、授業を聞くだけで内容が頭に入ってしまう。
他の教科は相変わらず赤点ばかり。でも国語だけは、面白いぐらいにずっと高得点を取り続けたのです。
苦手意識が無くなると勉強が趣味に変わる
中学に上がってからは、新たに「英語」という科目が増えました。
実は僕、小学校の時に授業でローマ字を習ったんですが、全く理解できませんでした。ローマ字の読み方すら、まるで分かりませんでした。
そして不運なことに、中学一年生の時の英語の先生が、とても問題のある先生でした。詳細は省きますが、英語の授業になると、まるで学級崩壊が起こったかのような状態になり、全く授業にならない。だから中学一年の時の英語の成績は、10段階中の3という、どうしようもない結果となりました。
うちの親は基本的に、「勉強をしなさい」ということを全く言いません。でもそんな親も、さすがに不安を覚えたようです。学校の授業ではラチが明かないと思った親は、僕を英語の塾に入れました。
そして僕の入った塾なんですが、これがまたとても伸び伸びした塾でした。勉強を強制せず、子供の自主性に任せるような自由な塾でした。
そしてこの塾、学校で使う教科書をそのまま塾でも使うんです。学校の教科書を使って予習・復習をしてくれるわけだから、学校の授業が面白いほど分かる。学校の授業が驚くほど理解できる。
ここでまた、僕の勘違いが始まりました。
「英語って、何て簡単なんだ…僕は英語が得意なんだ!!」
中学二年生になってから、僕の英語の成績は急上昇していきました。
国語と違って英語に関しては、塾に行っていたこともあり結構勉強しました。でも勉強はしたんですけど、僕自身は一生懸命勉強したという意識は全くありませんでした。
どういうことかと言うと、あの時の僕は英語に対する苦手意識がすっかり無くなっていたので、いくら英語の勉強をしても大して苦にならなくなっていた。むしろ楽しいから、強制されなくてもどんどんやってしまう。勉強というより、趣味やゲームに近い感覚だったかもしれません。
その結果、国語と共に僕の英語の成績はグングン伸び続けていきました。
苦手意識の壁を打ち破る
国語にしろ英語にしろ、僕は初めから得意だったわけではありません。むしろどちらも苦手で、毎回赤点ばかりでした。
その国語と英語が得意になったきっかけ、それは共に苦手意識が完全に無くなったことです。実は苦手意識が無くなれば無くなるほど、勉強の内容はどんどん頭の中に入ってくるようになるのです。
いくら勉強しても理解できない、いくらやっても頭の中に入らない、その最大の原因は苦手意識です。苦手意識が、頭の中に入る前にブロックをしているのです。学ぼうとしている知識が頭の中に入ろうとするのを、苦手意識が拒否してしまっているのです。だからいくら勉強しても知識が頭に入らないし、成績も上がらないのです。
きっかけさえ掴めれば、苦手意識は驚くほど簡単に外れます。子供であればあるほど、そうです。逆に苦手なものを得意にさせてやろうと、嫌がっているものを強制的にやらせてしまうと、むしろ苦手意識を強化させてしまうこともあります。
子供を伸ばすためには、苦手分野を克服させるより得意分野を伸ばしてやる方がいいと思います。もちろん苦手分野を克服することが出来れば、それに越したことはありません。でも苦手なものを無理矢理やらせてしまうと、出来ない自分を再認識させてしまい、子供の自己評価を下げてしまうことにもつながりかねません。
それよりも得意分野を伸ばしてやれば、それによって子供はどんどん自信を付けていきます。そしてその自信は、他のことにも波及していきます。自己評価も上がり、得意分野だけでなくその子の能力の土台そのものが底上げされていきます。ひとつのことに突出すると、それが他のものにも良い影響を与え始めるのです。
そしてこれは勉強だけでなく、全てに言えることです。それが出来るようになるかどうかの鍵は、苦手意識をどう克服するか。
そのためには、普段から子供に自信を付けさせる言葉がけが重要です。
間違っても
「あなたはどうせダメなんだから」とか
「どうせあなたには出来っこないから」
なんて言葉を子供にぶつけないであげてくださいね。
特に親など、子供に影響力を持つ人間の言葉は絶大です。子供はその言葉を、そのまま信じてしまいます。
どうか、親として子供の可能性を信じていることを伝えてあげて下さい。親が自分を信じてくれているという思いこそが、子供の自己肯定感を上げます。
親から信じてもらえている、親に自分を受け止めてもらえている、そう思えると、子供の中から勇気が湧いてきます。そして勇気を出して踏み出すその一歩が、苦手意識の壁を打ち破るきっかけとなるのです。
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