組織内での部下や仲間との関係で、
・上手く連携が取れない
・指示した通りに動いてくれない
・自主的に動こうとしてくれない
・ちゃんと報連相(ホウレンソウ)してくれない
・コミュニケーションが取れない
・何を考えているのかサッパリ分からない
こんなこと、ありませんか?
この記事を読んでいるということは、あなたは組織のリーダー的立場に立つ人だと思います。
組織とは、複数の人間が集まり、ある目的を達成するために互いに協力し合う集団。
そのリーダーともなれば、組織の人間を上手く動かし、組織が最大限の力を発揮できるように指示を出さねばならない。
とは言っても人というのは、こちらの思うようにはなかなか動いてくれないもの。
人それぞれ価値観も違えば、ものの考え方や感じ方も違う。
上手くコミュニケーションを取るのも、簡単ではないと思います。
でも、そうかと思えば中には、組織のトップやリーダーの指示が一瞬で末端社員にまで行き渡ってしまうような組織もある。
指示が行き渡るどころか、指示されてないことまで社員が自発的にやり始める組織なんかもある。
一体なぜなんだろう?
一体何が違うのか?
もしかすると、そのリーダーにとてつもないカリスマ性でもあるのか?
もしかすると、そのリーダーがとてつもないほど魅力的とか?
いや、それだけでは組織として統制の取れた動きを取ることは出来ない。
ということで、人や組織を効率的に動かし、最大限に力を発揮させるためにリーダーが心がけるべきことを、僕自身の経験を交えながら話していきます。
リーダーとメンバーの距離
例えばこれはあくまで一般論ですが、会社組織が大きくなればなるほど、リーダーの指示が末端社員にまで伝わりにくくなる。
逆に、組織が少人数で小さいほど、リーダーの指示が全ての社員に正確に伝わりやすくなる。
これはなぜか?
それは単純に、リーダーと社員の距離の問題ですよね。
組織が大きくなるほど、その組織のリーダーと接する機会は少なくなる。
するとリーダーがどんな人か知る機会も減るし、リーダーが何を考えどこに向かおうとしているのかも見えなくなる。
だからリーダーが指示を出しても、その狙いがよく分からず右往左往してしまうことになる。
逆に組織が小さいと、普段からリーダーと接する機会は当然増えてくる。
普段から直に接しているわけだから、リーダーがどんな人で、どんな性格で、どんな考えを持ち、どこに向かおうとしているのかも自然と分かる。
だからリーダーが一言指示を出しただけで、リーダーが何をしようとしているのか、どんな結果を手に入れようとしているのかまで、具体的に分かる。
だから狙いを定めて効率的な動きをすることが出来る。
じゃあ組織が大きくなれば、リーダーの指示を末端社員にまで理解してもらうことは不可能なのか?ということになる。
確かに大企業のトップともなれば、社員の全員と普段から仲良くするのは時間的にも当然不可能ですよね。
では、どうすればいいのか?
どうすればリーダーであるあなたが、部下・仲間と信頼関係に基づいたコミュニケーションをとり、あなたの指示をしっかり理解してもらうことが出来るのか?
そのためには、リーダーであるあなた自身が秘密主義をやめることです。
部下からの情報・報告が上がってこない理由
以前僕は、とある会社に所属していました。
その会社は少人数の比較的小さな会社だったんですが、規模が小さいにもかかわらず本部と現場がきっちりと別れていました。
本部は現場の事務所とは少し離れた場所に事務所を構え、普段は本部と現場の行き来がほとんど無い。
そして会社としての決め事や方針、現場での仕事の進め方や現場で使用するモノや道具さえも、全て本部が決める。
現場の仕事も含めた会社における全てのことは、全て本部で内密に話し合って決定し、詳しい内容は現場には伝えず、決まったことだけを指示する。
つまり現場としては、会社に関することは全て秘密にされ、蚊帳(かや)の外に置かれた状態。
すると現場は、次第に本部に対する不信感が募り始めてきた。
現場の人間に知られると都合の悪いことでもあるんじゃないか?と勘繰り始め、やがて本部と全く同じように、現場で起こる些細(ささい)なことさえ隠すようになっていった。
これに対し本部も、「現場は報連相をしない」と現場にクレームをつけ始め、お互いが本音をすっかり隠してしまい、全くコミュニケーションが取れなくなってしまった。
その結果、会社としての機能はほとんど停止し、とうとう最後は有望な人材がどんどん辞めていくという事態にまでなってしまいました。
人間関係における基本ですが、人は自分がされたことは、相手に対して同じように返すもの。
つまりこちらが隠そうとすればするほど、相手も同じように隠そうとし始める。
こちらの持っている情報を隠そうとすると、やはり相手も同じように相手自身が持っている情報を隠してしまいます。
そして情報というのは人に伝えれば伝えるほど、逆に情報がどんどん入ってくるようになる。
自分の持っている情報を人にあげるほど、人からたくさんの情報をもらえるようになる。
人の心理というのは、自分に教えてくれる人に対しては、自分からもいろいろ教えたくなるものですからね。
よく「うちの部下は報連相が出来てない」というのを聞くことがあります。
なぜ部下が報連相をしてくれないのか?
それはその上司が、部下に対して報連相をしていないからです。
上司が部下にきちんと報連相をすれば、部下も上司に報連相をするようになります。
報連相は、下から上への一方通行ではない。
上と下の両方がするもの。
まさにコミュニケーションの基本です。
もしあなたが情報不足に陥っているのであれば、もしかしてあなたは自分の持つ情報を自分の中だけで秘密にしたりしていませんか?
あなたの持つ情報を、みんなの役に立つために開示していますか?
情報を発信する人の周りには、自然と情報が集まってきます。
多くの情報を持っている人というのは、それだけ他の人にたくさんの情報を提供しているということ。
秘密主義者で、多くの情報を持つ人というのはいないのです。
リーダーこそオープンな人間になれ
・自分の出した指示が、組織の全ての人間にきちんと伝わる
・自分の指示の内容をきちんと理解し、みんなが連携を取って動いてくれる
・指示された以上のことを、各自が自分で判断して動いてくれる
・自分のやるべきことを、各自が自分の頭で考え行動してくれる
そんな組織のリーダーになりたいと、思いませんか?
そのためには、リーダーであるあなた自身がオープンな人間になるのです。
自分の知っている情報やあなた自身に関する情報を、出来る限り公開するのです。
とは言ってももちろん、会社や組織として漏らしてはいけない情報まで公開する必要はありません。
また、あなたのプライベート上での知られたくないことまで公開する必要ももちろんありませんよ。
ただ、あなたが秘密主義になると、周りの人間は疑心暗鬼になって動かなくなります。
リーダーであるあなたが秘密主義だと、組織全体が疑心暗鬼に陥り、機能しなくなります。
情報とはある意味、行動を起こすための指針となるもの。
情報とは判断材料であり、情報によって最善の行動を導き出すことも出来るようになる。
自分の会社の情報やライバル会社の情報を知っているからこそ、自社を伸ばしていくための具体的な方法を導き出し、行動を起こすことが出来る。
リーダーの人間性・考え・思いを知っているからこそ、リーダーの出す指示の狙いを的確に理解し、リーダーの望む最適な行動を取ることが出来る。
いいですか。
あなたがリーダーとして組織を動かしていくつもりであるなら、今すぐその秘密主義をやめるのです。
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