組織やチームをひとつにまとめるというのは、本当に難しいもの。
このタイトルが目についたということは、あなたは組織やチームのリーダー的な存在であり、まとめ役。
でも周りとなかなか信頼関係を築くことが出来ず、苦戦してしまっているということですよね?
今回は、
・組織のリーダーであるあなたに、部下や仲間たちが隠し事をしたり本音を言ってくれない
・起こったことをすぐに報告してくれず、対応がいつも遅れてしまう
そんな悩みを抱えたあなたに、その原因や解決方法について話していこうと思います。
ミスや失敗の報告が遅れる一番の原因
あなたが社会人であるなら何度か聞いたことがあると思いますが、この日本社会には「報・連・相」という言葉があります。
いわゆる「報告・連絡・相談」の省略です。
組織で何かあれば、報告・連絡・相談をすることによって常にリアルタイムで情報を共有し、迅速に対応する。
状況の変化を素早く把握し、柔軟に対応する。
あなたが組織のリーダーであるなら、不測の事態に対応するためにも部下や仲間からの「報・連・相」はとても大事な情報源だと思います。
でも、
・現場で起こったことなどが、なかなか自分にまで伝わってこない
・誰かのミスや失敗などが、取り返しのつかない状況になるまで報告されない
そんなこと、ありませんか?
もしそういったことが日常的にあるのなら、その原因は部下や仲間ではなく、リーダーであるあなた自身にあるのかもしれません。
なぜそんな事が起こってしまうのか?
初期の段階で素早く対応していれば全然大したことにはならないはずなのに、なぜ問題が大きくなるまで報告してくれないのか?
もしあなたがそのような思いを抱えているのなら、普段の自分の言動や立ち振る舞いをよく思い出してみて下さい。
もしかしてあなたは、部下や仲間がミスや失敗をしてしまった時、その相手を激しく叱ったり、その失敗を責めたりしていませんか?
リーダーの役割って何だと思いますか?
人は誰しも怒られるのは嫌です。
自分の失敗を責められたり、責任を追及されるのは嫌です。
また、自分の能力が低いと言われるのも嫌です。
自分の失敗によって周りに迷惑をかけてしまい、その結果自分が悪者になってしまうのも嫌です。
失敗によって、自分が組織にとって必要の無い人間だなんて思いたくありません。
だから人はミスや失敗をすると無意識に、その失敗を隠したり、誤魔化そうとしたり、または自分だけで何とか処理しようとしてしまう心理が働きます。
つい、ミスや失敗を無かったものにしようとしてしまいます。
特に、ミスや失敗に対し「激しく怒鳴ったり強く叱る上司」や「その失敗の責任をしつこく追及してくる上司」がいると、さらに輪をかけて失敗を隠そうとします。
失敗を誰にも分からないようにする、誰にも気づかれないように誤魔化そうとするから、失敗の報告はどんどん遅れていきます。
その結果、時間の経過と共に状況はますます悪化していき、気づいた時には取り返しのつかないような大問題にまで発展してしまうこととなります。
だからリーダーであるあなたが部下のミスや失敗を叱れば叱るほど、責任を追及すればするほど、失敗の報告はあなたに上がらなくなります。
叱れば叱るほど、責任を追及すればするほど、組織として正常に機能しなくなっていくのです。
じゃあ、どうすればいいのか?
どうすれば、ミスや失敗があなたに速やかに報告され適切な対応がなされるような、そんな組織としての本来の機能を取り戻すことが出来るのか?
そのためにリーダーであるあなたがしなければならないこと、それは「ミスや失敗を正直に報告出来る雰囲気を作ること」です。
そのためには、まずあなた自身の中にある「失敗=悪いこと」という価値観を捨ててください。
そしてあなたの部下、後輩、一緒に働く仲間に、次のことを伝えるようにしてください。
この世に完璧な人間などいない。
人というのは誰しも人生の中で、必ず何度も失敗をしてしまうもの。
失敗しないよう気を付けたり、出来るだけミスをしないよう努力をするのは当然だが、大事なのは
「失敗した時に、どのように対応するか?」
「どうやって失敗を乗り越えるか?」
ということ。
「失敗=悪いこと・ダメなこと」ではない。
「失敗=成長のチャンス」なんだ。
失敗するから、人は賢くなる。
失敗して痛い思いをするから、人は成長する。
失敗しなければ、本当の意味で一人前にはなれないんだ。
そう伝えてあげてください。
組織を成長させるためには、人材を育てていくためには、失敗を恐れさせてはいけません。
失敗を恐れた時点で、その組織・その人間の成長は止まります。
成長というものは、常にチャレンジの中にしかありません。
チャレンジしなければ、人も組織も成長しません。
例えば、もしあなたが今からやろうとしていることが100%成功すると約束されているのなら、それはチャレンジではありません。
成功するか失敗するか分からない、どちらに転ぶかは自分次第だからこそ、チャレンジになるのです。
失敗する可能性があるからこそ、チャレンジになる。
上手くいくかどうか分からないからこそ、成功出来るように努力する。
失敗を恐れていては、チャレンジなど出来ない。
「失敗するな」と指導すれば、それは「チャレンジするな」と言っているのと同じ。
つまり「成長しなくてもいい」と言っているのと同じこと。
モチベーションはどんどん下がり、「成功すること」ではなく「失敗しないこと」ばかりを目的として行動し始めます。
その結果、自主的な行動をしなくなり、人も組織も成長が止まります。
あなたがリーダーであるなら、組織やチームの人間を、失敗を恐れさせずどんどんチャレンジさせるようにしてください。
そして悪い報告は迅速にさせ、そしてミスや失敗を頭ごなしに叱ったり責めたりしない。
その代わり、なぜ失敗したのか?今後どうすれば失敗を回避出来るのか?を、その人間と一緒に考えてあげる。
あなたが手助けしてあげながら、成功するための答えを本人に見つけ出させてあげる。
感覚としては”上司”ではなく、その人間にとって「頼りになる兄貴・姉貴」「困った時には何でも相談に乗ってくれる頼れる兄貴・姉貴」そんな存在になってあげるのです。
組織というものは、人間関係で成り立っています。
組織を成長させるのも、人を育てるのも、全て人間関係次第です。
人間関係が上手くいかなければ、組織も人も育ちません。
「失敗」を「成長の糧」に変えられるような、そんな組織を作っていくのがリーダーの役割だと、僕は思います。
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