■コミュニケーションの嘘と真実
僕らを取り巻くこの社会は全て、人と人とのコミュニケーションによって成り立っています。
会話はもちろんの事、僕らが従事する仕事や政治・経済・商売、または何らかのコミュニティや組織やグループ、または娯楽の漫画やyoutubeやSNS・インターネット検索… 全て相手がいなければ成り立ちません。
ところであなたは人と話をする時、どのようにして相手と意思の疎通を図っていますか?
言葉を使って相手とやり取りをしている…ですよね。
では例えばですが、あなたがある人から「1万円ほど貸してくれ、必ず返すから。」と言われたとします。
この相手があなたの家族であるとか、心から信頼している親友だったりしたら信用して「貸そうかな」となりますよね。
ではこの相手が、メチャメチャ怪しい人だったらどうです?
いかにも詐欺師みたいな雰囲気の人だったり、お金にルーズだと悪評の立っている人だったりしたら、どうです?
…おそらく貸しませんよね。
同じ「お金を貸してくれ」というセリフでも、相手によって僕らはその対応を変えてしまうもの。
なぜでしょう?
実は人と会話をする時、僕らは目の前の相手と話をしているのではなく、自分の中にあるイメージ上の相手と会話をしているのです。
今、目の前にいる相手と話をしているようで、実は「この人はこんな人だ」というイメージを思い浮かべ、そのイメージ上の相手に向かって話しかけているのです。
例えばあなたにも経験があると思いますが、人に話しかける時「この人はこんな性格だから、こんなことを言ったらこんなリアクションをしてくるはずだ」と予測をしながら話をするとか。
「この上司は厳しい人だから、今回のミスを報告したらきっと厳しく叱られるだろうな」
「この人は優しい人だから、こんなワガママも許してくれるはず」
「この人はコテコテの関西人だから、ボケたら激しいツッコミがくるぞ」みたいな。
何気ない会話でも相手の性格などをイメージし、そのイメージの相手がどのように返してくるかを想定しながら会話をしているはず。
つまりこれまでその相手と接してきた経験や、または自分の感覚や人生経験のパターンなどを元にその相手のイメージを自分の頭の中で勝手に作り上げ、「こう言ったらこの人はこんな反応を返してくる、こんなリアクションをするはずだ」という前提で相手に話しかけているはずなんです。
ということは、目の前の相手を真っすぐ見ているわけではない、「イメージ」という名の「思い込み」や「偏見」という色眼鏡をかけた状態で相手と接しているということです。
「人は目の前の相手に対し、そのまま話してい るのではない。自分の中に相手のイメージを作り上げ、そのイメージ上の相手に向かって話かけている。」
これがコミュニケーションの真実であり、本質です。
ということはつまり、あなたが「どんな人間か?」ということよりも、「相手があなたのことをどんな人間だとイメージしているのか?」 ということこそがコミュニケーションにおいて重要だということ。
まずはこのことを理解しておいてください。
ここが理解出来ていなければ、どんな会話スキル・コミュニケーションスキルを身に付けても、それを使いこなすことができないどころか自滅してしまうのがオチですから。
根っこの部分、最重要部分ですからね。
あなたは周りの人たちから、どんな人だと思われていますか?
またはどんなイメージを持たれていると思いますか?
周りの人間になったつもりで、自分のイメージを思いつく限り挙げてみてください 。
(お喋り/物静か、明るい性格/おとなしい性格、話しかけやすい/とっつきにくい、自己中心的/協調的、感情的/論理的、情熱的/冷静、リーダータイプ/チャレンジャータイプ/フォロワータイプ…などなど)
■第一印象
①相手に良いイメージを植え付けるには?
コミュニケーションにおいて重要なのは言葉ではなく、自分に対してどれだけ良いイメージ・ 印象を相手に植えつけることができるか?ということこそが重要。
では、どうすれば相手に良いイメージを持たせることができるか?
ここで相手に良い印象を持ってもらうための大きなカギとなるのが「第一印象」です。
最初により良い印象を持ってもらえればもらえるほど、それ以降の相手との関係性の構築がより楽になります。
会話を始めとしたコミュニケーション全般を、自分にとって都合よく有利に進めることが出来るようになるのです。
「第一印象って、そんなに重要なの?」
もしかして、そう思ってます?
ではなぜ第一印象が重要であるか話していきます。
その前に、人の脳について簡単に説明させてください。
実は人の脳には、 2 つの思考システムが存在します。
1つ目は「早い思考」、2 つ目が「遅い思考」。
人の脳にはこの「早い思考」と「遅い思考」2つの思考システムがあり、これを行動経済学では【脳の「システム1・システム2」】、心理学では【二重過程理論】と呼んでいます。
ではこの2つの思考は具体的に何が違うのか?
初めに早い思考(システム1)ですが、まずはこの写真を見てください。
この写真を見て、誰もが「怒っている」と直感的に判断しますよね。
このように瞬間的に働き、頭でアレコレ考えることもない直感的な判断が「早い思考・システム1」です。
それに対し遅い思考(システム2)ですが、では「この人を笑わせてください」と言われたら、どうします?
結構悩みますよね(笑)
この人がどんな人で、どんな性格で、機嫌が良いのか悪いのかも全くわからないわけだから、まずはこの相手のことを観察し、少し時間をかけて笑いのツボを探っていかなければなりませんよね。
このように、瞬間的にではなく一呼吸おいて論理的・理性的に考えて下す判断が「遅い思考・システム2」です。
ということでザックリと表現すると、「早い思考・システム1」は直感的・感情的、それに対し「遅い思考・システム2」は理性的・論理的というイメージですね。
それでここでは便宜上、直感的に素早く判断する「早い思考・システム1」を「ウサギ思考」一呼吸おいて論理的・理性的に判断する「遅い思 考・システム2」を「カメ思考」と呼びます。
それで人の脳は常に、ウサギ思考がデフォルトとして設定されています。
なぜウサギ思考がデフォルトで設定されているのか?
例えば遠い昔の原始時代では、常にウサギ思考で素早く判断しなければ猛獣などに襲われてアッという間に命を落としてしまいます。
カメ思考で一呼吸おいて考えてたら、命を守れないわけです。
その原始時代からの野生の本能が今の僕らにも受け継がれているため、ウサギ思考がデフォルトとして設定されているのです。
つまり人の思考というのは、外部の刺激に対してまず最初にウサギ思考が反射的に起動し反応する。
そして少し遅れてカメ思考がゆっくりと起動してくるということ。
それで話は第一印象に戻るのですが、人が感じる第一印象というのは、まず最初にウサギ思考によって作られます。
最初に相手と会った時、ウサギ思考が直感的に
「この人はこんな人だ」と判断し、その判断に従ってその相手のイメージが自分の中で作られていく。
第一印象というのは、基本的にウサギ思考によるものです。
そしてまたここからが重要なのですが、ウサギ思考が決めた第一印象に対し、今度は遅れてカメ思考が起動し、そのウサギ思考が感じた第一印象の正しさや根拠といったものをカメ思考が論理的に作り出し、自分を納得させようとし始めるのです。
なぜなら人は、一貫性や辻褄が合うことを好む生き物だからです。
自分の考えに矛盾があれば、無理矢理にでも辻褄を合わせて一貫性を保とうとするのが僕ら人間です。
たとえ自分の判断が間違っていたとしても、それを認めることができず、自分に都合よく事実をも無意識に捻じ曲げていく。
それが人間という生き物なんです。
ということで最初に判断したウサギ思考の第一印象が正しくとも間違っていようとも、その後のカメ思考がウサギ思考の判断を論理的に強化していきます。
だからもし悪い第一印象を相手に持たれてしまったなら、その後その悪印象は勝手に相手の中でより膨らんでいき、それによって本来引き起 こされることの無いはずの誤解や摩擦をも生んでしまうことになるということ。
とは言っても第一印象を覆すことはもちろん可能です。
ですが、覆すにはやはり労力が要りますし、時間もかかります。
そして多くの人がウサギ思考の反射的な直観力に疑問を持つことがない、つまり抗うことができない。
ということはですよ、逆にウサギ思考をうまく利用すれば人間関係を自分に有利に運ぶこともできるようになるとも言えますよね。
つまり相手のウサギ思考に良い第一印象を持たせることができれば、相手は勝手にあなたを「良い人・素敵な人・話しやすい人」といったポジティブなイメージを持ってくれて、あなたに対して好意的に接してくれるようになるわけです。
人間関係は全て「第一印象」が入口であり、「第一印象」から人間関係は始まります。
相手のウサギ思考に対していかに好印象を与えられるかによって、その後の相手との関係は大きく変わることになります。
②初対面ではない相手の場合は?
「初対面が大事」と言っても、じゃあ毎日顔を合わせる相手が初対面の人ばかりなのか?と言われれば、もちろんそんなことはないですよね。
むしろ日常の生活では顔見知りの相手と接することがほとんどだと思います。
では「初対面ではない相手」や「既に関係があまり良好ではない相手」の場合はどうすればいいのか?
どう接すればいいのか?
そういった相手であっても、考え方は初対面の場合と基本的に同じです。
初対面の相手と同様、最初の印象をいかに良くするかが鍵です。
例えば会社で同僚と朝一番で顔を合わせた時、その同僚がブスっと不機嫌そうな顔をして目も合わせなかったら、どうです?
嫌な気持ちになったり、思わず身構えたりしてしまって、その日一日は話をする気も失せてしまうのではないでしょうか。
また反対に、普段仲の良くない相手が朝一番にメッチャご機嫌で、まるで久々に親友に出会えたかのようなすごく嬉しそうな笑顔で「おはよ! 今日も一緒に仕事頑張ろうぜ!」なんて言ってきたら、どうです?
その相手の印象やイメージがガラっと変わっちゃいますよね。
朝一番の最初に出会った時の印象というのは、その日一日のコミュニケーションに大きく影響してくるものなんです。
良い意味でも悪い意味でも、最初の印象というのは必ず後に引きずるもの。
初対面であろうと顔見知りの相手であろうと、同じです。
コミュニケーションの始まりである「最初の出会い」のクオリティを、いかに上げていくか。
それによってその後のコミュニケーションの中身は大きく変わってくるのです。
あなたにとって良い印象の人、周囲のみんなから好印象を持たれている人がいると思います。
その人たちが人と顔を合わせた時・人と接する時、どんな態度・表情・振る舞い・言葉遣いをしていますか?
またあなたが素敵だと感じる人、あなたが憧れる人、あなたがなりたいと思う人はどんな人で、その人たちが人と接する時、普段からどんな表情・態度・立ち振る舞いをしていますか?
「あの人みたいになりたいなぁ」
「あの人みたいに上手にみんなと楽しく会話したいなぁ」
と漠然と思ってるだけでは、いつまで経ってもその人のようにはなれません。
その人が他の人とは何が違うのか?
どこがどう違うのか?
しっかり観察してください。
その人のストーカーになったつもりで、一挙手一投足まで細かく観察するのです。
③非言語コミュニケーション
ここまで「どうやったら相手に対して良い印象・イメージを持たせることができるか」ということについて話してきましたが、ここで重要なことをお伝えします。
僕らは会話をする時、主に言葉を使って会話をしていますが、実は会話の本質は言葉ではありません。
むしろ言葉はそれほど重要ではありません。
会話の本質は「言葉」ではなく「ボディランゲ ージ」です。
ところであなたは「メラビアンの法則」というものをご存知ですか?
簡単に説明すると、メラビアンの法則とは「人と人とのコミュニケーションにおいて、話し手のどのような情報が聞き手の印象に影響を与えるのかといったことを実験し、その結果を数値化したもの」です。
分かりやすく言うと、例えばあなたが相手に「ありがとう」とお礼を言ったとします。
それに対し、相手はそれが本心であるかどうかをどうやって判断するのか?という実験で、その判断材料として
②聴覚情報(耳から聞こえる声のトーンなど)
③視覚情報(目で確認できる顔の表情、ジェスチャー、身体の動き、視線、姿勢など)
以上の3 点で計測しました。
すると、
②「聴覚情報(声のトーンなど)」…38%
③「視覚情報(顔の表情や身体の動きなど)」…55%
という結果となりました。
つまりコミュニケーションをとる際、僕らは話の内容が重要だと思いがちですが、実際には言語情報はわずか7%しか優先されていないのです。
もちろん話の内容を正しく理解したり伝えたりするためには、言葉そのものが持つ意味というのは重要です。
でも実際には聴覚と視覚から得る非言語情報(93%)が優先されている。
つまり言葉よりも耳や目から得られた情報が、人間関係やコミュニケーションにおいては大きく影響しているわけなのです。
だから例えば言葉と口調・表情などが一致していない場合、人は言葉ではなく口調や表情・態度を信頼して判断を下す傾向にあるということであり、無意識のうちに非言語コミュニケーションを重視しているというわけです。
つまり人との会話において重要なのは、言葉そのもの以上に言葉以外の非言語の部分(ボディランゲージ)なのです。
言葉ももちろん大事な要素の一つですが、顔の表情や声のトーン、立ち振る舞いといった言葉以外の部分を重要視しなければならないということです。
例えばあなたがある人から、愛の告白をされたとします。
相手の口からは、ロマンチックな言葉が次々と溢れ出してきます。
でもその相手の目はキョロキョロと泳ぎ、髪はボサボサで寝ぐせだらけ、貧乏ゆすりしながら顔はニヤニヤと半笑い、聞き取れないような早口で何を言っているのか分からない、おまけに寝巻のようなふざけた格好…
この告白、あなたは本気の告白だと受け止めることができますか?
相手の言葉を、信用できますか?
…信用できませんよね(笑)
まぁ例えがちょっと極端だったかもしれませんが、僕の言いたいことはそういうことです。
コミュニケーションにおいて重要なのは「言葉」よりも非言語部分である「ボディランゲージ」。
あなたは普段人と話す時、どんなボディランゲージで接していますか?
ちゃんと相手の方を向き、相手の目をちゃんと見て話していますか?
相手にきちんと伝わるように、ハッキリと聞こえる声で、聞き取りやすいスピードで、明るく落ち着いた声で話していますか?
猫背にならず常にスッと姿勢を伸ばし、慌てずゆったり落ち着いた態度で相手に接することができて いますか?
とりあえずは「目」「声」「姿勢」「表情」、この4点を意識するようにしてみてください。
具体的には
①目… 話す時には相手の方を向き、相手の目を見て話す。
もし相手の目を見るのが苦手なら、まずは相手の方向に顔を向けて、ボンヤリと相手の全体を見るような感じでも大丈夫です。
慣れてきたなら、少しずつ相手の目のあたりを見るようにしていってください。
②声… 話すスピードを少し落とし、相手に聞こえるようハッキリとした声で話してください。
慌てて話す必要はありません。
特に早口の人は注意してください。
③姿勢… 軽く胸を張るイメージで、姿勢を正してください。
これは人と話している時だけでなく、普段から意識してください。
立っている時も、座っている時も、歩いている時も、常に意識してください。
④表情… 単純に、人と接する時は明るい表情を心がけてください。
人というのは無意識に、明るい表情の相手にはポジティブなイメージ、 逆に暗い表情の相手にはネガティブなイメージを持ってしまうものです。
無理に笑ったりする必要はありませんが、明るい表情を意識してください。
細かく挙げていけばこの他にもまだ色々あるのですが、まずはこの4つを今後は意識してください。たったこれだけで、相手が受ける印象というのは確実に変わりますから。
あなたの周りにいる人(テレビなどのタレントでもいいです)で「この人は印象が良いなぁ」と感じる人をピックアップし、その人たちのボディランゲージ(目線・声・姿勢や立ち振る舞い・表情)がどんなものか、まずはしっかり観察する。
そして理想のボディランゲージを頭の中でしっかりとイメージし、実生活で少しずつ試してみ る。
特に、朝など最初に人と出会った時や、または人と会話をし始める時など、最初に相手に与えるイメージ(第一印象)の時は、より意識して行う。
■思い込みの壁
「生まれつきの性格は変えられない?」
ここまで「自分自身の印象・イメージを変える ための方法」を話してきましたが、ここまで話を聞いて、
「とは言っても理想とする人物と自分は違う人間だし、そもそも持って生まれた性格自体も違うし、それに性格なんて変えられるものでもない」
そう感じた人もいるのではないかと思います。
ではあなたのその性格、それは果たして本当に持って生まれたものでしょうか?
あなたのその性格は、生まれた時からもうすでに決まっていたものなのでしょうか?
実は人の性格というものは「単なる思い込み」です。
あなたのその性格、それはあなた自身による思い込みなんです。
これまで生きてきた中で「自分はこんな性格だ」と思うきっかけや出来事があり、それが積み重なった結果、自分の性格などに対する強固な思い込みが形成されているだけなのです。
例えば人から「あなたの話って面白いね」と言われたとします。
それが偶然何度か続き、自分の中に「自分って面白い人間なのかも」という小さな思い込みが生まれる。
その思い込みが小さな自信となり、今度は積極的に人を笑わせようとするようになる。
すると、今まで以上に人から「面白い」と言われるようになり、思い込みはますます強化されていく。
そうなってくると最後は人を笑わせるのが快感となり、「面白い人」という自分の思い込みはいつしかその人自身のキャラクターとなるわけです。
ちなみにあなた自身は、どんな性格ですか?
自分がどんな性格だと、 自分自身で思っていますか?
例えば、明るい/大人しい、気が強い/優しい、積極的/慎重派、楽観的/悲観的、革新的/保守的、打たれ強い/打たれ弱い、粘り強い/飽きっぽい…などなど、あなたなりに思い当たる部分があると思います。
ではそのあなたの性格ですが、例えばあなたがこれまでの人生の中で出会ってきた全ての人を集めてあなたの性格について尋ねたとしたら、みんなが同じ回答をするでしょうか?
あなたが思っている、あなた自身の性格と寸分違わず同じ評価を下すでしょうか?
…きっと違うはずです。
その人間の価値観や物の見方や感覚などによって、あなたの性格に対する印象は間違いなく違ってくるはずです。
つまりあなたの考えるその性格は、あなた独自のフィルターを通して見ただけのものでしかないということ。
また人というのはその状況に合わせて、自分にとって都合よく自分の性格を無意識に作ってしまうこともあります。
たとえばよくある例で、「人見知りの性格だから人に話しかけられない」という人がいますが、その多くが人間関係で自分が傷つくのが怖いから、自分は人見知りだと思い込む(自分で自分を偽る)ことによって他人と関わることを回避しようとする、ということもあったりします。
また思い込みによっても、それが良い結果に結びつく時もあります。
例えばまだ実力不足なのに「自分はできるはずだ」と錯覚(思い込み)し、失敗も恐れずどんどんチャレンジし行動し続けることにより、最終的には本当に実力が身に付いて目標達成してしまった、というパターンもあったりします。
自信というのも性格と同じく、突き詰めると自分の思い込みであったりするのです。
そして人間関係を有利に進めることを可能にする様々な武器も、実はスキル化できることが多くあります。
例えば愛想の良さ、人当たりの良さ、外向的な性格、上手な喋り、相手を魅了する笑顔…そういったものも全てスキル化し、状況に応じて使いこなすことはできるようになるのです。
それこそ誠実さといったものも、スキル化することができます。
まずは自分は強い思い込みを持っている、そしてその思い込みによって自らを縛り、自ら不自由にしてしまっている、そのことに気づいてください。
今の自分を生きづらくさせているのは、実は周りの人間ではなく自分自身の思考のクセなんだということに気づくのです。
まずは自分で思う自分自身の性格を挙げてみる。
次に「ではなぜ自分はそのような性格になったのか?」その原因を探っていく。例:「自分はこんな性格だ」と思うようになったきっかけや出来事・経験。
例:子供時代の親からの育てられ方や、親からの影響。(親の価値観や、親から言われた言葉など)。
例:学生時代の先生や友人たちからの影響。(先生からの評価や言葉、友人たちとの関係やどんな友人と付き合っていたか)そうやって「自分はこんな性格だ」と思い込むに至った理由や原因を、時間を遡りながら探っ ていく。
■人と仲良くなるのが上手な人
①人と仲良くなるのが上手な人の特徴
「人は自分の持つ思い込みによって縛られている」という話をしましたが、人と仲良くなるのが上手な人というのは基本として「私は周りから受け入れられている」という強い思い込みを持っています。
それはコミュニケーションが上手くいったという成功体験が偶然重なった結果そう思うようになったり、またはどこかのタイミングでコミュニケーションのコツを掴むことができ、そのコツによって成功体験を積み上げて自信を持つに至った。
または周りのみんなが常に自分を受け入れてくれるという恵まれた環境で育ってきたという幸運な人もいるかもしれません。
そう思うようになるまでに至った経緯は人それぞれでしょうが、人と仲良くなるのが上手な人は基本的に「私は周りから受け入れてもらえ る」という自信を心のどこかに持っているものです。
そして自信があるからこそ自分らしく自然に振る舞えるし、自信があるからこそ表情も声も自然と明るくなり、周りの人間にもそのポジティブなイメージが伝わり、その結果会話も弾んでいく。
正にポジティブのスパイラルが巻き起こるわけです。
また仮に人間関係で上手くいかないことがあっても「私は周りから受け入れてもらえる人間だ」という確信があるから、「私の接し方が悪いのかな…?」などと変に不安になったりせず、「全ての人と気が合うわけでもないし、たまには相性の悪い相手もいるよね」とか「あの人なんだか今日は機嫌が悪いなぁ」ぐらいに捉え、変にいちいち悩んだりしないわけです。
そしてまた他の人を相手に、自信を持ってコミュニケーションを図っていく。
どんな状況においても、感情がネガティブな方向に振れてしまうことが非常に少ないわけですね。
②コミュニケーションにおいてまず押さえておくべき必須の部分
ここで、人と仲良くなるために必須の能力を2つ挙げていきます。
まず1つ目は「共感力」です。
人間関係において共感が大事というのは、これまで多くの人たちが多くの場で語ってこられたことなので耳タコかもしれませんが、とても大事なことなので話しておきます。
それで、共感においてもっとも大切なことは「相手の気持ち(感情)を否定しないこと」です。
これが絶対条件です。
ここを外してしまうと、いくら相手に共感しても相手には1ミリも伝わらないと思ってください。
その上で、まずは「相手の発言や考えを否定しない」ということを心がけてみてください。
基本的に人間は「自分を肯定してくれる人と仲良くしたい」という生き物です。
と言うか、そもそも人は「自分を肯定し共感してもらうために」人と会話をするのです。
だから自分を否定してくる人とは仲良くしようとは思わないし、関わりたくもないのです。
そして人の習性は、否定してくる相手に対しては反射的に否定的な目を向けます。
逆に肯定してくれる相手に対しては、つい肯定的な目を向けてしまうもの。
コミュニケーションにおいて大事なのは、まずは相手の事を肯定してあげること。
相手の言っていることが正しいかどうかは、ここでは重要ではないのです。
全ての人間はその言葉や行動を、自らの中にある承認欲求によって操られています。
承認欲求とは一言で言うと「他人から認められたい・自分を価値ある存在として認めてもらいたい」というものです。
この承認欲求は全ての人間が持つものであり、自分の意思ではなかなかコントロールすることのできない根源的な欲求です。
基本的に全ての人が、自分の考えや気持ちを相手に認めてもらえて受け入れてもらえることによって、自分に価値を感じるようにできているわけです。
まずは「相手の発言や考えを否定しない」、これを心がけてください。
そしてコミュニケーションに苦手意識を持っている人によく共通しているのが、相手の言動に対し「どんな気の利いた返事を返したらいいのか?」「どんな良いリアクションをすればいいだろうか?」といったことばかりを考えているということ。
ではなぜそんなことばかりが気になってしまうのか?
それは相手の目や評価ばかりを気にしているからです。
「相手に良く思われたい」ということを中心にして考えているから、相手の話ではなく自分のとるべきリアクションばかりが気になってしまっているのです。
つまりコミュニケーションに苦手意識を持っている人の多くは、相手の話をちゃんと聞けていない。
そしてそれは、自分が思っている以上に相手にも伝わります。
そして自分の話をちゃんと聞いてくれてないということは、相手からすれば「自分を受け入れてくれてない」と感じてしまうもの。
ましてや相手の話に対していちいち反論したり、聞かれてもいないのに自分の意見を相手に押し付けてしまうのは「自分を嫌ってくれ」と言っているようなものです。
上手な切り返しやリアクションなど、無くてもいいのです。
まずは相手の話に集中してしっかりと聞く、そして共感してあげること。
それだけでいいし、人と仲良くなるのが上手な人はそれがきちんとできているのです。
そしてそれができるようになれば、今度は単に相手の言葉に共感するだけではなく、相手の気持ち(感情)に対して共感するように意識してください。
共感において最も重要なのは、表面上の言葉に対してではなく、相手の気持ち(感情)に対して共感してあげることです。
いわゆる「その気持ち、わかる~」ってやつです。
例えば、楽しかった、面白かった、嬉しかった、悔しかった、辛かった、悲しかった… そのように相手が感情を表した時、その感情に対して共鳴してあげるのです。
その時は、上手な言葉をかけてあげる必要はありません。
「へぇ~、それは楽しかったねぇ!」とか 「えぇ~、それはマジで辛かったね…」とか、ごく簡単な言葉でいいのです。
重要なのは、その言葉にどれだけ自分の感情を乗せられるか?
言葉ではなく、声のトーンや顔の表情などのボディランゲージで自分の感情をどれだけ表現することができるか?です。
そして相手の気持ちに共感してあげる時、例えば仮に相手が人として間違ったことを言っているのだとしたら、もちろんその考えに同意する必要はありません。
ですが仮に相手が間違っていたとしても、その考えに至るまでの相手の気持ちはしっかり拾い上げ、理解し共感してあげてください。
なぜなら、たとえ意見が違ったとしても気持ちを理解してもらえたなら、「自分は相手に受け入れてもらえた」と人は感じるものなのです。
例えば上司に反発する同僚がいて、そのせいで業務に支障をきたしてしまっているとする。
そんな時、頭ごなしに注意するのではなく「お前の行動は正しいとは言えないが、上司に反発したくなるお前の気持ちもわかるよ。」と相手の気持ちに対して理解を示す一言をプレゼントしてあげる。
相手の意見や行動は必ずしも肯定する必要はありません。
相手の気持ちや感情に対して理解を示してあげればいいのです。
人と仲良くなるのが上手な人は、単に相手に同調するのではなく相手の気持ち(感情)を敏感に察知し、それを受け止め共感するのが上手なの です。
コミュニケーションとは言葉と言葉のやり取りではなく、感情と感情のキャッチボール。
これ、めちゃめちゃ重要です。
人間とは感情の生き物です。その認識をしっかり持って今後はコミュニケーションを図っていってください。
次に人と仲良くなるために必須の能力の2つ目、それは「質問力」です。
まず前提条件として、会話は基本的に「質問」と、それに対する「回答」で成り立っています。
例えばあなたが
「昨日のドラマ面白かったね!」
と同意を促すような質問をし、それを受けて相手は
「そうそう、あんな展開になるとは思ってもみなかったよ。」
と自分の意見を回答する、みたいに。
基本的に会話は、相手に何か質問を投げかけて、相手がそれに対して答える、この繰り返しです。
ところで会話において、多くの人が「相手の問いかけに対し、何て答えようか?」と、より良い回答・気の利いた回答をすることに気を取られていたりするのですが、しかし重要なのは 「回答」ではなく実は「質問」の方です。
そもそも人というのは、自分に興味を持ってくれる相手に対して心を開きたくなるもの。
つまり自分の問いかけに対しどんな返し(回答)をするかではなく、まず自分に興味を持っていろいろ聞いてきてくれる・自分に向かって質問してきてくれる相手に対して好意を抱きやすくなるわけです。
人と仲良くなるのが上手な人というのは、質問するのがとても上手です。
こういった人たちが具体的にどのような質問をするのかというと、彼ら・彼女らの問いかけというのは基本的に相手自身に関する事柄であったり、または相手が興味を持っているであろう事柄などを中心に質問を展開していきます。
分かりやすく言えば、自分に関する話ではなく相手に関する話をする。
自分が興味のある話ではなく、相手が興味を持っている話をするということ。
とは言っても、もちろん彼ら彼女らも相手が興味を持つ話しかしないわけではありません。
人と仲良くなるのが上手な人は、お互いが興味・関心のある共通の話題を見つけ出す名人でもあります。
共通の話題を見つけ、一緒に盛り上がるのが上手なのも、彼ら・彼女らの強みです。
ではどうすれば、彼ら・彼女らのようになれるのか?
そのためにまず必要なのは、当たり前ですが「相手に興味を持つこと」です。
人と上手くやっていきたい・人と仲良くなりたいと思うのであれば、まずは相手のことを興味を持った目で見ることから始まります。
そして相手に興味を持った目で、次に相手のことをしっかり観察してみてください。
例えば
・相手の見た目の変化(髪型・服装・化粧・持ち物など)
・表情などの変化(表情が明るい/暗い、元気がある/無いなど)
・声などの様子(声に元気がある・無い、声に自信がある/無い)
そういった相手の様子や変化をしっかり観察し、敏感にキャッチすることを習慣にしてください。
そしてその観察力を使い、今度は想像力を働かせます。
相手の見た目・表情・声・動作や、立ち振る舞いの変化・置かれている状況などから相手の気持ちや心理状態を想像し、相手に適切な言葉(質問)を投げかけてあげる。
適切な言葉を投げかけると言っても、難しいセリフを言う必要はありません。
例えば
「大丈夫?」
「大変そうだけど、手助けが必要だったらいつでも言ってね。」
など、相手を気にかけるちょっとした言葉をかけてあげるだけでいいのです。
ちなみにこの「観察力」と「想像力」の2つを掛け合わせたものが「空気を読む能力」です。
この「空気を読む能力」は後天的に身に付けることのできるスキルであり、その人次第でスキルの精度を上げていくことももちろんできます。
そうして空気を読む能力を意識した上で、会話のスタートである質問をしていきます。
ここでの質問はこれまで話してきた通り、とに かく相手に関する質問をすることを常に意識してください。
というのが誰しも一番興味のあるのは「自分自身のこと」なので、「相手に関する質問」を意識していないと、いつの間にか自分に関する話ばかり・自分が興味のある話ばかりをしてしまうようになるのです。
慣れるまでは「相手に関する質問をすること」を常に意識し、忘れないように気を付けてください。
自分の話をするとは「自分が話の主人公」になることであり、相手に関する話をするとは「相手を話の主人公にしてあげる」ということ。
つまり相手に興味を持ち相手に関する話をしてあげる行為は、「相手を主人公とした話をしてあげること」です。
会話が上手な人・人と仲良くなるのが上手な人は、基本的にサービス精神旺盛な人が多かったりします。
とは言っても常に相手に関する話ばかりをしなければならない、というわけではありませんからね。
要はバランスですので。
下記のことを意識しつつ、これからコミュニケーションをとっていってください。■相手の発言を否定しない
「それは違うんじゃない?」
↓ ↓
「あぁなるほど。そういう考えもあるね。」■相手の発言中は、口を挟まず必ず最後まで聞いてあげる■相手の感情に共鳴する
例:人を殴った
→「人を殴るのは良くないよ。でも殴りたくなるその気持ちは確かにわかるよ。」■相手を会話の主人公にしてあげる
興味を持った目で相手を観察し、基本的には相手に関する話・相手が興味のある話題を中心に会話を展開していく
■モデリング
①真似?
ここまで「人はイメージ上の相手と話している」「第一印象」「非言語コミュニケーション」「ボディランゲージ」「人と仲良くなるのが上手な人の特徴」「共感力と質問力」など、いろいろ話してきましたが、最後に元対人恐怖症だった僕が自分を変えるにあたって効果を発揮してくれた”ある方法”について話します。
その方法とは、表題にもある通り「モデリング」です。
モデリングとは一言で言うと、「他人の行動や言葉遣い・スキル・特徴・思考方法などを観察し、それを模倣し学ぶことによって自己成長につなげること」。
簡単に言えば、他人の良い部分を真似して自分のものにするということです。
人は産まれたばかりの赤ん坊の時は、何の知識も無く何もできない状態です。
そこから周りの人間のことを観察し、真似しながら様々なことを覚えていき身に付けていきます。
例えばスポーツなんかでも、上手くなるためには指導者や上手な人のやり方を真似したりしますよね?
それと同じです。
みんな必ず誰かの真似をしながら生きているのです。
ただ多くの人はこの「真似」を、ただ漠然と無意識にやっている状態です。
それを今後あなたには、強く意識しながらやってもらいたいのです。
しかしこういう話をすると「誰かの真似をするってことは、本来の自分を偽れってこと?」と思う人がいるかもしれません。
言いたいことは、確かに分かります。
でも逆に、本来の自分・素の自分というと一体どんな自分なんでしょう?
あなたは素の自分がどんな人間か、細かく具体的に説明することはできま す か ?
常にどんな時も素の自分・ありのままの自分で生きている人なんて、実は一人もいないのです。
人は様々な顔を持っており、その場面に応じて適切に使い分けながら生きています。
例えば子供としての顔、親としての顔、上司としての顔、部下としての顔、先輩・後輩の顔、友人としての顔…あなたも複数の顔を持ち、状況に応じて無意識に使い分けているはずです。
そして生きていくにつれ、顔はどんどん増えていきます。
どの顔が、あなたにとっての素の顔ですか?
ちなみに僕は以前、ずっとGACKTさんのモデリングをしていました。
GACKTさんの話し方、立ち振る舞い、姿勢、表情、雰囲気、リアクション…
GACKTさんが出ている動画なども片っ端から研究し、徹底的にモデリングしていきました。
その結果、そのうち無意識の状態でもGACKTさんの様な振る舞いになってしまい、 最後はモデリングする前の元々の自分と今の自分の一体どちらが素の自分なのか 、本気で分からなくなってしまいました(苦笑)
元々僕は対人恐怖症であがり症の人見知り人間であり、GACKTさんとは対極にいるような人間です。
そんな僕がGACKTさんのような振る舞いが自然とできるようになった。
「人と接する時はいつもビクビクしていた僕の中にも、実はこんな男らしい面や強い部分が隠されていたんだ!!」
モデリングを通して、自分に対する新たな発見がたくさん見つかりました。
実はモデリングをしていると、今まで気づかな かった自分の顔が現れる、自分でも知らなかった自分の一面が見えてくるのです。
僕らは自分を知っているようで、実はわかっていない。
そして自分ではない誰かを演じることにより、自分でも知らなかった自分の新たな顔を発見することができるのです。
②自分を変える
自分を変えるため、そして自分という人間を知るための最適な方法は「モデリング」です。
ということで、まずはあなたが「あんな風になりたい、あんな人になりたい」と憧れる人を探 してください。
身近にそんな人がいれば一番良いですが、もし身近にいなければテレビに出ている芸能人や著名人でもいいです。
まずモデリングする人を決めてください。
決まりましたら、まずはその相手の立ち振る舞いや表情・話し方・言葉遣い・間の取り方などをとにかく観察してください。
頭の中でいつでも思い描けるくらいに細かく具体的にイメージを掴んでください。
そうしたら次は、俳優になったつもりでその人を演じていきます。
まずは表面的な部分からでいいので、普段の日常生活からその相手になりきって演じてください。
それが慣れてきたら、今度はより内面に掘り下げてモデリングをしていきます。
例えばその人の言葉や行動に対し「なぜあの言葉を言ったのか?」「なぜあのような行動をしたのか?」といったように、その言葉や行動の元となるその人の価値観や信念・判断基準とは一体どんなものか?その人が普段から何を考え、どんな価値観・基準や感覚を持ち、どんな信念に基づいて生きているのか、何を生きがいにし、何を目的として生きているのか…
まさにその人の思考回路や人生そのものを丸々モデリングし、完全にその人そのものになりきる。
そしてあなたが何かの判断に迷ったりした時は「こんな時、あの人ならどう考えるだろうか?」「あの人なら、どのような判断を下し、どのような行動を起こすだろうか?」
そうやってその人の思考回路を使って考え、行動してみる。
完全にその人になりきり、思考し行動していく。
それこそ意識せずとも無意識レベルでそうなってしまう、このレベルを目指してください。
モデリングは、やり慣れていないと最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくれば意外とできるものです。
最初はなかなか上手くいかないかもしれませんが、数をこなせば必ずでるようになりますから。
ただ、中には普段の自分とは違う人間を演じることに恥ずかしさを感じる人もいると思います。
いつもと違う言動や振る舞いをしたら周りから変な目で見られるんじゃないか、そう考える人もいるでしょう。
ただ、いつもと違う言動をしたとしても、あなたが周りから興味を持った目で見られたりイジられたりするのはせいぜい一週間とか二週間ぐらいのものです。
一か月もすれば基本的に誰も気にしなくなりますから。
人が一番興味のあるのは自分自身のこと。
自分の人生において重要なのは自分のこと・または自分に直接関係することであり、みんな他人のことなど二の次なんです。
自分にとって特別な相手でない限り、はっきり言って人は他人に対してあまり興味を持っていないし、また持ち続けることはできないのです。
つまり誰もあなたのことをジーっと観察などしていない。
あなたのことを四六時中いつも考えているような人はいないのだから、気にするだけ時間の無駄ということ。
一週間や二週間そこらの間ちょっと我慢しただけで、その後の自分を変えるきっかけや自分の人生を変えられるきっかけを掴めるのであれば、もうけものだと思いませんか?という話です。
それとモデリングをする上で覚えておいて欲しいのですが、仮にあなたが完全にモデリングしたと思っても、もちろんその人そのものになれるわけではありません。
どんなにその人になりきれたとしても、それは あくまで「これまで生きてきたあなた」という土台の上に「モデリングで身に付けたスキル」が乗っただけのものであり、あなたであることには変わりありません。
そしてGACKTさんをモデリングした時の僕と同じように、その相手のモデリングが無意識レベルでできるようになり、「元のあなた」と「モデリングで身に付けた新たなあなた」が融合し不可分の状態になった時点で、すでにその状態が今のあなたの素の状態であり、それはもう完全にオリジナルのあなたなのです。
ということでここまで読んでくれたなら、早速モデリングをする対象の相手を見つけましょう。
そして見つかったなら、それが身近な人であればストーカー並みに細かく観察していきましょう。
また芸能人や有名人であれば、その人が出演しているテレビやyoutube動画はもちろんのこと、書籍やSNSなどその人が発信しているものも、その人の思考回路を知るにはとても有効な方法ですのでぜひ参考にしてみてください。
自分が目指すべき姿を、触れられるぐらいに具体的かつ鮮明にイメージするのです。
漠然とボンヤリしたイメージでは、ボンヤリした結果しか手に入りません。
具体的な結果を得たければ、とにかく具体的にイメージすること。
人とのコミュニケーションであれば、話し方や話す内容・雰囲気・表情・目線・声・姿勢・相槌の打ち方・立ち振る舞い・身振り手振り… そういったものを具体的かつ鮮明にイメージする。
また何らかの目標達成であれば、明確な目標設定、目標達成のためにやるべき課題や作業の洗い出し、どの作業をどの期間までに終わらせるかといったタイムスケジュール… そういった目標達成のためにやるべきこと・決めるべきことを明確にし、ゴールまでの道筋をできる限り明らかにしていくことです。
★エクササイズ:モデリング
①最初にモデリングする相手を決める
②モデリングする相手が決まったら、その相手の立ち振る舞い・話し方・声・姿勢・目線・表情…などを事細かく観察し、頭の中でいつでも思い描けるレベルにまでイメージを作り上げる。
③まずは表面的な部分からでいいので、実生活でその人の立ち振る舞いなどをやっていく。
④表面的なモデリングを行いつつ、その人の思考回路(価値観・信念・考え方など)も掘り下げていく。
⑤何かの判断に迫られた時は、「あの人ならどう考え、どう判断し、どのような行動をするだろうか?」と、その人になりきり、その人の思考回路を使って考え行動する。
(モデリングする相手は必ずしも一人である必要はありません。実際に僕も、複数人のモデリングをしています。)
■最後に
ということで、『人の輪に飛び込むためのスタートアップガイド 』に最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
今回のレポートを読まれて、どうでしたか?
このレポートが今後のあなたの人生にとって何かしらのヒントや前進するための材料となれたのなら、嬉しく思います。
このレポートを書いている僕自身、まだまだ道半ばです。
なりたい自分や達成したい目標があり、そこを目指して日々行動を起こし続けています。
今ある現実を変えるために必要なのは、自分の「行動」です。
行動を変えなければ、現実が変わることは決してありません。
そして行動以外に現実を変える方法は、基本的にありません。
良かったら僕と一緒に、理想に向けて歩き続けていきましょう。
そしていつかあなたの友として一緒に笑い合える日が来ることを夢見ながら、当レポートを閉じさせていただきます。
では。
仁より