自信の木を育てる方法(5:今この瞬間を生きろ)web版 | 無料講座

自信の木を育てる方法(5:今この瞬間を生きろ)web版

 

5つ目のピース

■今この瞬間を生きろ

今回の話でもう5話目になりますが、ここまで

「自己評価が、あなたの世界を変える」
「自分の常識に生きろ」
「自分に嘘をつくな」
「嫌われることを恐れるな」

といった話をしてきました。
ちゃんと覚えてくれていますか?

多くの人が自分に噓をつき、自分を欺き、そして自分と誠実に向き合うことから逃げている。
その結果、自分が本当にやりたいこと、自分が本当に望む生き方、人生の意味や目的や価値…そういったものが分からなくなってしまっている。
自分の気持ちを誤魔化し過ぎて、もうどれが自分の本音なのか分からない、そんな人生の迷子に陥ってしまっている。

これまで話した内容は、そんな状況を脱するために必要となる重要なマインドです。
あなたがこれからどんな生き方をしていこうとも、これまで話してきたマインドが無ければあなたは自分の望む人生を歩んでいくことは残念ながらできません。
ここまで読んでくれたあなたなら、その意味を分かってくれるのではないかと思います。

ということで今回の話からは、これまで身に付けたマインドを加速させ、自分の望む人生・望む現実をグイグイ引き寄せていくための方法について話していきます。

本日の講座のキーワードは
【今この瞬間を生きろ】です。

 

 

僕らの生きる時間というのは、未来から現在に至り、そして過去へと流れていきます。
「過去」というのは、もう過ぎ去ってしまった時間。
「現在」はまさに今この瞬間、こうして僕の話をあなたが聞いてくれている今この時間。
そして「未来」とは、これから起ること、将来のことであり、まだ来ていない時間。

では、ここで問題です。
「過去」「現在」「未来」
あなたが生きているのは、この3つの時間軸の内どれですか?

 

…はい、正解です。
あなたが生きているのは「現在」ですよね。
当たり前ですが、僕らが生きることができるのは現在だけ。
タイムマシーンでも発明されない限り、僕らは過去にも未来にも行くことはできませんよね。
冷静に考えれば誰でも分かるこの大前提。
でもそれが分かっているにもかかわらず、実はとても多くの人が一生懸命過去に生きようとしてしまっているのです。

どういうことかと言うと、例えばあなたには「苦手な相手」はいますか?
嫌いな相手、仲良くしたくない相手、相性の合わない相手…そういった、あなたが苦手とする相手がいれば、その人のことをちょっと思い浮かべてみて下さい。

あなたの苦手とする相手…
では、あなたはなぜその人のことが苦手なのですか?
いつからその相手のことを、苦手だと感じるようになったのですか?
具体的に、相手のどういった部分が苦手なのですか?

例えば…
・前に嫌味なことを言われたから
・以前、意地悪や嫌がらせを受けたから
・価値観が違うため、話が合わなかったから
・相性や考え方が合わないから
・不愉快な思いをさせられたから
人によって、理由はいろいろあると思います。
理由があるから、その相手のことが嫌いだったりするわけですよね。

でもここで、ちょっと考えてもらいたいのです。
相手のことが嫌いなその理由、それって全て過去に起こったことではないですか?
過去のどこかで相手に対する嫌なイメージが生まれたから、現在相手のことを嫌いだと感じているわけですよね?

つまり自分の中にある過去の相手に対するイメージに、今のあなたが影響を受けてしまっている。
過去の相手に対するイメージに、現在のあなたが引きずられてしまっているということ。

そう、実は僕らは「目の前にいる相手と会話をしている時であっても、自分の中にある“過去の相手のイメージ”と会話をしている」のです。
ちょっと分かりにくいでしょうか?

例えばあなたが友人と話す時、無意識に相手の反応や返事を予測しながら話すことはありませんか?
「こんなことを言ったら、こう返してくる」とか。
「こんなことを言ったら、こんな反応をするはず」とか。
あいつはこれまで短気な性格だったから、今回もきっと怒るに違いない…
あいつはこれまで優しい性格だったから、今回もきっと笑って許してくれるはず…
そうやって過去の友人のイメージを相手に、会話をしているのです。

でも過去のこれまでがそうだったとしても、「今」や「未来」もこれまでと変わらず同じとは限りませんよね?
先ほどの「あなたの苦手な相手」の話に戻りますが、もし仮にあなたが過去にその相手から心無い言葉をぶつけられたとします。
でも、これから先も同じようにその相手から心無い言葉をぶつけられるかどうかは分かりませんよね。

それにもしかしたら相手のその言葉、あなたのことを思って言った言葉かもしれません。
でも何らかの誤解があって、あなたがそれを悪く受け止めてしまった可能性もある。
でもあなたがその言葉にとらわれ続ける限り、あなたに向けられる相手の言葉は全て、あなたにとって悪意のある言葉へと変わります。
相手がどんなに親切なことを言ってきても、過去の思い込みに従ってあなたは相手のことを疑ってかかるようになります。

つまり、過去に受けたその相手の言葉をあなたが引きずり続ける限り、現在のあなたは過去のあなたから影響を受け続け、過去の記憶に支配され続けてしまうのです。

そうやってあなたがもし過去に生きているのであれば、あなたの現在、そしてあなたの未来は過去によって多くのことが限定されてしまうことになる。
過去に生きるということは、現在も未来も、過去と同じものになるということ。
つまり、これからやって来る未来の可能性を閉ざしてしまうことになるかもしれないのです。

もしあなたの人生が順風満帆で、人生に何一つ不満や不足は無いというのなら僕は何も言いません。
でもあなたがこうして僕の話を聞いてくれているということは、あなたは今の人生に納得していない、自分を変えたい、そう思っているのではないですか?

過去に生き、過去からの影響を受け続ける限り、あなたには過去の延長線上の人生しかやって来ない。
これまでと同じような人生しか、やって来ないのです。

それでもいいですか?
それとも、人生を変えたいですか?

いいですか。
もしあなたが自分の人生を変えたいのであれば、これまでの人生はバッサリ切り捨ててください。
過去は切り捨て、今ここから新たにスタートを切って下さい。
これからの自分の未来を変えてくつもりなら、ここで過去は思い切って切り捨てるのです。

そしてもちろんこれは他人に対してだけでなく、自分に対してもそうです。
例えば過去の僕は、とにかく自信がありませんでした。
「僕は何をやってもダメな人間。どんなに頑張ったところで、僕が結果を出せるわけない。どうせ僕は人並みになんて、なれるわけない。だって、これまでがそうだったんだから、やらなくても結果はもうすでに分かっている。」
これまでの人生、ずっとそう思いながら僕は生きてきました。

でもこれまでダメだったからといって、この先も同じようにダメかどうかなんて分からない。
実際にやってみなければ、これまでと同じかどうかは分からない。

未来なんて、実際に行動して結果を見てみなければ誰にも分からないはず。
僕はこれまでずっと、過去の失敗した自分のイメージを持ちながら生きてきました。
でもそのイメージを自分の中から外し、上手くいくかどうかは一切考えないようにして行動するようにしました。

過去の悪いイメージに縛られないようになると、自分の行動が変わります。
「やってみなければ結果は絶対に分からない」という発想になると、行動の量と質の両方が確実に上がっていきます。
自分の人生が、これまでの過去の延長線上からどんどんずれていくのが、目に見えて実感できるようになります。
過去を切り捨てることによって、現在、そして未来はこれまでの過去とは全く違うものへと生まれ変わるのです。

誤解してほしくないので念のために言っておきますが、もちろん僕はこれまでのあなたの人間関係とかを全て切り捨てろとか言っているわけではありませんよ。
または過去の良いイメージや、過去の成功体験、自信につながるような経験など、そういったあなたにとってプラスに働いてくれるものは当然捨てる必要などありません。

ただ、あなたの行動や可能性を狭めてしまうような過去であるなら、切り捨てなければずっとその影響を受け続けてしまうことになる。
過去に支配され、これから先もこれまでと同じような人生しかやって来ないことになる、そう言いたいのです。

僕らは過去に生きることも、未来に生きることもできません。
僕らが生きることができるのは「今」だけ。
「今」という時間にしか、生きることはできない。

だから過去にエネルギーを割くのではなく、今に全力を尽くすのです。
常に「今この瞬間」に全力を尽くすのです。
「今この瞬間」を全力で生きるのです。

そして今この瞬間を全力で生きることによって、あなたを取り巻く全てが変わり始めます。
「今」が変われば、これからやって来る「未来」も変わります。
そして実は「未来」だけなく、もう済んでしまった「過去」さえも変わってしまうのです。

例えばあなたは過去を思い出す時、どういう風に思い出していますか?
つい最近の出来事を思い出すのであれば、その時の状況を正確に思い出せると思います。
でもそれが5年前・10年前・15年前…など昔の話になればなるほど記憶はぼんやりしていき、思い出せる範囲は限定されてくると思います。
すると記憶違いや、場合によっては記憶と事実が全く異なるなんてことも起こり始めます。

実はこの「記憶」に関して、多くの人が勘違いをしている事実があります。
みんな過去の記憶を思い出す時、その時にあった事実・場面をそのままそっくり思い出していると思っています。

でも人というのは何かを思い出す時、その都度当時の記憶の断片をかき集め、その集めた断片を組み合わせながら記憶を蘇らせているのです。
あったことをそのまま思い出しているわけではなく、その時の自分がその都度記憶の断片を拾い集め、組み合わせて記憶を作り直しているのです。

そしてこの「記憶の断片を集める」作業、そして「集めた記憶の断片を組み合わせる」作業、これらの作業を行っているのは今現在の自分。
過去にあったことを思い出す作業というのは、過去の自分ではなく今この瞬間の自分がやっているのです。

そして過去を思い出す時は、必ず今の自分の主観が入ってきます。
つまり今の自分の価値観やものの考え方・とらえ方、心の状態などが変われば、記憶の断片の集め方や組み立て方も変わってくるということです。

例えばあなたが会社員で、あなたの会社にとても厳しい上司がいたとする。
あなたは新人時代、毎日その上司からダメ出しばかりをされており、今もその上司のことが大嫌い。
その上司の顔を思い出すだけでも気分が悪くなる。
あなたはその上司の厳しい指導に耐え続け、今では何とか一人前に仕事をこなせるようにまでなれた。

そんなあなたが過去の新人時代を思い出す時、 おそらくその上司からダメ出しをされた辛い記憶ばかりが甦ってくると思います。
でもその厳しい上司、実はあなたを何とか一人前にしてやろうと、あなたに対してあえて心を鬼にして厳しく接してくれていたのだということが後になって分かった。

すると、あなたの辛いことだらけだった新人時代の記憶は、違うものへと変わります。
「新人時代はダメ出しばかりされて、本当に辛かった。でもその辛かった出来事の一つひとつが、実は全て意味のあるものだったんだ。あの上司が厳しく育ててくれたからこそ、ここまで成長することができた。あの頃の辛い経験があったからこそ、成長した今の自分がある。」

過去に対するとらえ方が変わると、過去の記憶の断片の集め方が変わり始めます。
これまでは上司から受けた過去の嫌味や厳しい言葉ばかりを拾い集めていたのが、今度は自分のためを思って言ってくれた上司の言葉ばかりを集め始めるようになります。

そして集める記憶の断片が変われば、組み上がる記憶もまた変わってきます。
その結果、あなたの記憶そのものが全く変わってくるのです。

人間というのは記憶の断片を集める時、その時の自分にとって都合の良いものばかりを集めるものです。
相手のことが嫌いだったなら、相手を嫌うための材料となる記憶ばかりを集めようとする。
逆に相手のことが好きだったなら、これまでの相手の嫌いな部分は認識せずにスルーし、相手の好きな部分ばかりが目につくようになる。

今の自分の都合によって、記憶の断片の集め方も組み立て方も全て変わってくる。
つまり今の自分の心の状態が変われば、過去の記憶さえも全く違ったものへと変わっていくのです。

おまけに人間というのは、上手く思い出せない部分や記憶の足りない部分に関しては、辻褄(つじつま)が合うように記憶を勝手にねつ造します。
自分の都合に合うように、細かい部分は勝手に記憶を作ってしまうのです。

つまり人間の記憶というものは、本当にあやふやでいい加減なもの。
過去の事実は同じでも、その時の自分の心の状態次第で拾い集める記憶の断片は全く変わってくる。
今の自分の価値観やものの考え方、もののとらえ方、気持ちや感情などが変われば、思い出す記憶そのものも変わってくるということ。

つまり今の自分が変われば、自分の未来だけでなく過去さえも変わってしまうのです。
実際に僕は、自分の過去の記憶が変わるという経験をしています。

実は僕の学生時代、特に中学高校時代は、まさに灰色の人生でした。
もう1ミリも思い出したくない。
大人になった僕は、常に自分の過去に蓋(ふた)をして封印しながら生きてきました。

でもこのままではいけない、このままでは前に進むことはできない、そう思った僕は懸命に自分の心と向き合いました。
人としてもっと成長したい、人生のもっと高いステージに立ちたい、そうやって努力し続けた結果、僕自身の考え方や心の状態は変わっていきました。

すると次第に、
「過去の辛い経験は、実は今の成長した自分になるために全て必要なことだったんだ」「過去の辛い経験があったからこそ、今の成長した自分があるんだ」
ということに気づきました。

すると僕の中にある過去の記憶は、驚くほど価値のあるものへと変わっていきました。
分かりやすく言うと、白黒テレビだった過去が一気にカラーテレビへと変わったような感覚です。

「今」が変われば、未来も過去も変わる。
そして未来や過去を変えたければ「今」を変えるしかない。
「今」が充実すれば、過去も未来も光り輝き始めるのです。

全ては「今」を中心に動いている。
これまでの過去に縛られ影響を受け続けるのではなく、また、まだ見ぬ未来の不安にコントロールされるのでもなく、「今」を変えることによって過去も未来も変えていく。
今が変われば、過去も未来も必ず変わります。

僕は常に、今の自分が人生の中で一番最高だと思っています。
よく「あの頃は良かった」とか「あの時代に戻りたい」とかいった話を聞くことがありますが、僕は一度も思ったことはありません。
なぜかというと、今の自分が自分史上で最高だからです。

もちろん僕も年相応に体力は衰えてきました。
顔も老けてきた?かもしれません(笑)
でもそんなことを差し引いても、今の自分が昔の自分に負けるなんてことは、まずあり得ないと思っています。
表面上のことでは比べ物にならないくらい、以前の自分より常に人間的に成長し続けていると僕は思っています。
人間としての魅力が常に増し続けているという自信があるからです。

今の自分が変われば、全てが変わる。
自分を取り巻く環境、人間関係、これからやって来る未来、そして変わることのない過去さえも変わり始めます。
今この瞬間に全力を尽くすことによって、まさに全てが変わっていくのです。

では、今この瞬間に全力を尽くすためには一体どうすればいいのか?という話になってくると思います。
そこで、今この瞬間を生きるために必ず必要なものについて話していきます。

今この瞬間を全力で生きるために一番必要なものって、何だと思います?
最も重要なもの…
それは「目的意識」です。

あなたはどうですか?
日々のあなたの行動に、目的というものはありますか?

ただ何となくやっている
みんなが行くから、学校に行っている
働くのが普通だから、会社に行っている
みんながスマホを持つから、自分もスマホを持っている
みんながSNSをやるから、自分も何となくやっている

そうやってあなたは、何となく生きていませんか?
自分の行動に目的を持たず、周りに流され、ただ何となく日々を過ごしていませんか?

もしそうなら、たった今から常に目的意識を持って行動するようにしてください。
一つひとつの行動に対し、できる限り「これは何のためにやっているのか?」「この行動によって一体何が得られるのか?」「この行為によって、自分はどのように成長していけるのか?」
そういったことを強く意識するようにしてください。

目的意識を持って行動し始めると、自分にとって必要な行動と、そうでない行動というのがだんだんと分かるようになってきます。
そうすると、自分にとって必要な行動が自然と増えていき、逆に自分にとって必要の無い行動は次第に減っていきます。
次第に、今の自分にとって必要なこと・今の自分がやるべきことをやり始めるようになるのです。

よく
「自分のやりたいことが見つからない」
「人生の意味が分からない」
などといったことを聞くことがあります。
そういう状況に陥ってしまうのも、その人間の行動を見てみると、やはりその行動の一つひとつに目的が見えず、ただ何となく無意味な行動を繰り返しているだけだったりします。

ただ単に周りに合わせているだけ。
周りの意思や意見によって行動させられているだけ。

その行動に自分の意思が無いのであれば、その行動には目的が無いということ。
自分のやりたいことが分からなくて当然。
人生の意味が分からなくて当然です。

今この瞬間を生きるためには、自分の行動に対し常に目的意識を持ってください。
目的を持って行動するようにしてください。
目的を持つことによって、あなたの行動の一つひとつが意味を持ち始めます。
すると、あなたの生き方、あなたの人生、あなたの存在、あなたの全てが意味あるもの・価値あるものへと変わっていきます。

それともう1つ、今この瞬間を全力で生きるために僕が日頃から心がけていることがあります。
それは「体の管理」と「心の管理」です。

「体の管理」に関しては、特に説明する必要は無いと思います。
体調が悪いと、当然ですが調子も出ません。
自分が本来持つ力も発揮できません。

また、体と心はつながっています。
体の調子が悪いと、それと連動するように心も乱れます。
やるべきことに集中できず、また集中力も持続させることができなくなります。
何をするにも、体調はできるだけ万全に整えておくべきです。

そしてもう1つの「心の管理」。
自分が本来持つ力を常に安定して発揮するためには、「体の管理」と共に「心の管理」も必要です。

僕らの行う行動、例えば仕事、勉強、発表会やプレゼン、または周りとの人間関係や苦手な人への対応、または失敗して自分が落ち込んだ時にどのように立ち直るか…そういった自分の行動の全てを常により良いものにするためには、心の管理ができていないといけません。

心の管理とは、自分の心を整えるということ。
そのために、僕は常に自分の心の状態を把握するようにしています。

今、自分の心の状態はどうなのか…
落ち着いているのか?
それとも焦ったり慌てたりしているのか?
腹を立てているのか?
喜んでいるのか?
劣等感を感じているのか?
優越感に浸っているのか?
何かを恐れているのか?
自信に満ち溢れているのか?
不安を感じているのか?
……

僕は普段から、まるで他人を観察するかのように自身の心や感情を観察する癖を付けています。
感情が揺さぶられるようなことがあれば、
・自分の感情がどのように揺さぶられたのか?
・なぜ揺さぶられてしまったのか?
・僕の中に一体今どのような感情が生まれているのか?
それが「良い・悪い」などといった判断を一切せず、ありのままの心の動きを観察し分析していきます。

こうやって自分の心の状態が把握できてくると、それだけでかなり冷静に自分と自分を取り巻く状況が見えてくるようになります。
そして自分の心が乱れていたなら、自分自身に「大丈夫だ」「落ち着こうぜ」といった言葉を投げかけ、心を整えていきます。

もちろん僕も、自分の感情を常に100%完全にコントロールすることなどできません。
でも自分の感情を意図的に調整し、自分の意思で心を整えることは、慣れれば誰にでもできることです。

そしていつどんな状況でも自分の心を整えることができるようになれば、例えどんな時でも、どんな場所であっても、その時の自分の最高のパフォーマンスを発揮することができるようになります。
その時の状況や、その時の環境に左右されず、常に自分の中にある力を自分の意思で引き出すこともできるようになるのです。

でも残念ながら、ほとんどの人が自分の心を整えることをしようとしません。
その結果、ここぞという時に失敗してしまったり、思うように実力を発揮できずにいます。

でもそれは仕方のないことなんです。
そもそもみんなの中に「心を整える」という概念そのものが無いから仕方がないのです。

でもあなたは今「心を整える」ということを知りましたよね?
今あなたの心の中には、どんな感情が生まれていますか?
どんな思い、どんなポジティブな感情、どんなネガティブな感情、どんな優越感や劣等感、どんな願望…
あなたの中には今、どのような感情があるのか、自分自身の心を見つめてみて下さい。

またはこれまでの人生で、あなたの感情が乱れてしまった時のことなどを思い出してみて下さい。
その時のあなたの心の中には、どのような感情が渦巻いていましたか?
自分の心を見つめ、思い出してみて下さい。

そうやって自分の心の状態を観察するのです。
自分の感情が乱れてしまった時は、
「なぜ乱れているのか?」
「どのように乱れているのか?」
「一体何が原因で乱れているのか?」
善悪のモノサシを手放し、冷静に自分の心を観察してみて下さい。
そして、どうすれば心を整えられるのか、心が乱れた原因と正面から向き合ってみて下さい。

そして、
「たとえどんな問題が降りかかろうと、俺ならきっと乗り越えられる。」
「たとえ今は上手くいかなくても、私なら最後は必ず上手くいく。」
そう自分を強く信じてあげてください。

心を整えるためには、自分の心の状態を分析し把握する、そして自分の可能性を信じてあげる、この2つが不可欠です。
自分の心の状態を把握することにより冷静さを取り戻し、そして自分の可能性を自分で信じてあげることにより心が安心して本来の力を発揮することができるようになります。

しかし心を整えられるようになるまでには、多少の訓練が必要かもしれません。
慣れないうちは、心が乱れているその時に冷静になんてなれないかもしれません。

でもその時に冷静になれなくてもいいのです。
そんな時は、また後で時間を置いてから落ち着いて自分の心と向き合ってみて下さい。

自分自身の感情が乱れる時のパターンや根本の原因というのは、実はいつも同じだったりします。
だから後からでもいいので自分の心と向き合うということを繰り返していき、そのパターンや特定の原因を把握してしまえば、感情が乱れた時でもだんだんと冷静さを取り戻せるようになってきます。
最初は上手くいかなくても、数をこなせばできるようになってくるのです。

そして、いつどんな時でも心を整えて最高のパフォーマンスを発揮することができるようになれば、今この瞬間に全力を尽くすこともできるようになります。
今この瞬間に力を注ぐことにより、あなたの未来、過去、あなたを取り巻く環境や人間関係、全てがきっと変わり始めるはずです。

ということで、これで今回の話は終わらせてもらいます。
次回は、あなたの人生が自分の思うようにいかない根本の原因について話していこうと思います。

どうぞ、楽しみにしていてください。